かむことや飲み込みが難しい人向けに工夫されたカツカレー。奥のカツが総入れ歯でも食べられ、手前は舌でつぶせる(宇治市五ケ庄・みんなのカフェぐりぐり)

かむことや飲み込みが難しい人向けに工夫されたカツカレー。奥のカツが総入れ歯でも食べられ、手前は舌でつぶせる(宇治市五ケ庄・みんなのカフェぐりぐり)

カツカレーには、水入りペットボトルの重みを利用して食材の軟らかさを簡単に確認できる道具も添えて出す。実際に測定する開発者の高田さん

カツカレーには、水入りペットボトルの重みを利用して食材の軟らかさを簡単に確認できる道具も添えて出す。実際に測定する開発者の高田さん

抹茶などの味付けのもちゼリー。上にはアイスのトッピングも可能だ

抹茶などの味付けのもちゼリー。上にはアイスのトッピングも可能だ

 加齢や病気、障害で食べ物をかんだり飲み込んだりする力が低下し、ミキサー食などになりがちな人に家族らと同じ外食を楽しんでもらうプロジェクトが、京都府宇治市五ケ庄のコミュニティーカフェで行われている。舌の力でつぶせるほど軟らかく調理しつつ、見た目の形は保ったカツを載せたカレーを販売。むせないように工夫したスイーツも好評で、スタッフらは「一緒に食べる楽しみを諦めないで」と呼び掛ける。

 軟らかい食べ物を意味する造語「おやわ」のプロジェクトは、介護施設を運営するNPO法人「おはな」(同市木幡)が昨年3月に開設した「みんなのカフェぐりぐり」で進められている。NPOの森田浩史理事長(44)や、同市に在住する言語聴覚士の高田耕平さん(42)、京都市内の管理栄養士や調理師らが取り組む。

 カレーは2種類。総入れ歯でも食べられる「やわらかカツカレー」(950円)は、介護食品の酵素剤に豚肉を一晩漬けて揚げた。一歩進めた「丸飲み?カツカレー」(1100円)は、京都市内の企業が開発した高圧力と蒸気などで食材を軟らかくする家電も使い、舌の力でつぶせるようにし、軟飯に載せた。

 カツカレーは「おやわ」第2弾で、昨年6月から第1弾として「もちゼリー」(450円)を販売している。餅は飲み込みが難しいため、上新粉と餅粉で餅の風味を出し、ゼリーは飲み込みやすい形にまとまるように介護用の増粘剤を使った。味付けも宇治茶老舗の抹茶を使うなどこだわる。全国発送も行い、「舌がんの父親が孫と一緒に食べられた」と喜びの声も寄せられている。

 森田さんと高田さんによると、かむことや飲み込みに困難を抱える人が外出先などで、食材の形を崩さず、軟らかさなども両立した食事を食べる機会は少ない。手間がかかることなどから、介護食や刻み食、ミキサー食になりがちという。

 今後も新メニューを開発していく予定で、2人は「だれもが食の大切さに触れられるアンテナショップのような場所になれば」と意気込む。営業は午前11時~午後3時。「丸飲み?カツカレー」は予約が望ましい。日曜定休。0774(31)3492。