こども食堂の役割などについて説明する湯浅さん(彦根市安清町・料亭旅館やす井)

こども食堂の役割などについて説明する湯浅さん(彦根市安清町・料亭旅館やす井)

 認定NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長」で東京大特任教授の湯浅誠さんの講演会「こども食堂と私たちの地域・社会」が8日、滋賀県彦根市内であり、市民らがその役割や地域のつながりの必要性について理解を深めた。

 湯浅さんは、全国で同食堂などが毎年千カ所以上増え、少なくとも6千カ所余に上ることを紹介。多くは地域の高齢者らも利用でき、「年齢や属性、所得などで区切る行政サービスとは異なり、誰でも利用できる公園のような場所」と説明した。

 食事をするだけではなく、大学生に見守られ、自宅で行う以上に宿題に集中する子どもを例に「特別なことをしなくても、そばで見守られるだけで子どもは勇気づけられる」と強調した。

 地域住民のつながりが希薄になる中、多世代が集って「SNS(会員制交流サイト)以上しがらみ未満」の緩やかなつながりができるとし、孤食の子どもや高齢者の健康づくりのほか、虐待防止にも間接的に役立つ効果があると指摘。貧困家庭の子どもは全国に270万人いるとされるが、「(同食堂で)一緒に過ごすことで子どもの黄色信号に気付くことができる。貧困対策にもなるが、多くの人を受け入れることで地域の持続性を可能にする」と述べた。講演会は、地元の花しょうぶ通り商店街振興組合が主催した。