新成人となった皆さんは今、何を感じているでしょうか。希望も不安もあるはずです。

 これからは自分で判断しなくてはならない場面が増え、責任も重くなります。悩むこともあるでしょうが、主体性を持って歩んでほしいものです。

 本年度は全国で約120万人が節目を迎えました。4月からは成人年齢が18歳に引き下げられるため、最後の「20歳の新成人」となります。

 皆さんは新型コロナウイルスの影響に直面しました。

 高校を卒業する直前に感染拡大が始まりました。大学などに進学した人はオンライン授業ばかりで、友人や教員とふれ合う機会は乏しくなりました。就職した人も職場で戸惑うことが多かったでしょう。

 従来とは異なる生き方を強いられる場面はこれからも増えそうです。それでも、若い力で切り開いていってほしい。時代はいつでも若い人の柔軟な感性と発想を求めています。

 若者による問題提起が社会を動かした例もあります。

 経済的困窮で生理用品が買えない「生理の貧困」の問題が昨年、注目されました。きっかけは大学生らの団体による実態調査で、行政や学校による無償配布の動きが広がりました。

 タブー視されていた女性の生理のつらさについて光を当てることにもつながりました。

 地球温暖化を食い止めるのは将来の暮らしに関わる大きな課題です。昨年秋に英国で開かれた国際会議「COP26」では、世界中から集まった大勢の若者たちが、脱炭素に向けて具体的に取り組むよう各国首脳に訴えました。

 ジェンダー平等という価値観が重視され、「男のくせに」「女だから」といった物差しは古くなっていくでしょう。

 あらゆる面でデジタル化も進展していきます。

 幼少期からインターネットやスマートフォンに親しんでいる「Z世代」とも呼ばれる皆さんの消費行動は、上の世代とはずいぶん異なっているようにも見えます。

 ブランド品や車を買わず、「シェア」をいとわない。一方で、友人との時間に重きを置き、会員制交流サイト(SNS)を積極的に活用する-。そんな分析もあります。

 常識や物事の基準はどんどん変化していきます。世代間で意見が食い違う場面が出てくるかもしれません。しっかりと自分の頭で考えて、答えを探してください。

 人生100年時代と言われます。周囲と協力して生きやすい世の中をつくるのも成人の役割です。そのために、政治の動きにも目を向けてほしいと思います。

 昨年秋の衆院選小選挙区の投票率は全体で55・93%でしたが、19、20歳は35%前後と低かったのは残念です。

 社会で何が問題になっているのか。若者の声は生かされているか。政治に目を凝らせば見えてくることもあります。皆さんの将来のために選挙権を有効に使ってほしいと期待します。