JFLの佐川印刷京都でプレーしていたころの藤本(左)=2014年3月、西京極陸上競技場

JFLの佐川印刷京都でプレーしていたころの藤本(左)=2014年3月、西京極陸上競技場

 かつてサッカーJFLの佐川印刷京都でプレーしたJ1大分のFW藤本憲明が、今季リーグ戦9試合で6ゴールを挙げ、得点ランキングで日本選手トップに立っている。実質4部に当たるJFLから一段ずつ階段を上り、シンデレラストーリーを実現した29歳の点取り屋は「JFLやJ3の選手の目標となりたい」と意気込む。

 一躍注目を集めたのは、鹿島から2得点した今季開幕戦。JFLからJ3、J2、J1と各カテゴリーで開幕ゴールを飾り、これが日本サッカー界で初という異色の記録になった。パスをつなぐチーム戦術に、鋭い得点感覚が生きている。「周りの選手が僕の動きを分かってくれている」と自信を漂わせ、J2から昇格したばかりのチームをけん引する。

 「仕事をどう早く終わらせようか、とそれだけ考えていた」。京都府向日市に本社を置く佐川印刷で働きながらサッカーを続けた4年間を笑って振り返る。大阪府出身で、近大を経て2012年に入社。午前中に亀岡市内の練習場で汗を流し、午後は約4時間、こん包などの軽作業を行った。

 アマチュア選手として京都府代表で国体成年男子に出場し、12年に優勝を成し遂げた。佐川印刷京都でも14年にJFLのセカンドステージで初優勝。チームメートだったJ2京都サンガFCの下畠翔吾は「ゴール前であれだけ落ち着ける人ってなかなかいないし、一瞬の動きが速い。ストライカー気質」と語る。

 15年にクラブチーム化を目指してSP京都FCに改称したチームは同年限りで活動を休止したが、藤本は「逆に上を目指すチャンス」とハングリー精神を発揮した。J3に昇格したばかりの鹿児島に移籍。2年連続でJ3得点王となり、18年にJ2大分に加入してJ1昇格に貢献した。

 「Jリーグでは結果を出さないと認めてもらえない。意識が変わったのが大きい」とゴール量産の理由を明かす。対戦相手からのマークも厳しくなってきたが、「コンビネーションを合わせれば攻略できる」と高みを目指す。