これでは教育に女性の視点が反映されにくいのではないか。

 全国の都道府県教育委員会事務局で管理職に占める女性の割合が、平均15・8%にとどまっていることが、内閣府の2021年度調査で分かった。

 学校現場では、教員によるわいせつ行為や男女用の制服の見直しなど、ジェンダーをめぐる課題への対応が重要性を増している。多様な価値観も求められている。

 教育現場を俯瞰(ふかん)する教委に、もっと女性管理職を増やすべきだろう。子どもの意識形成に関わるだけに、性差の壁をなくし男女が協働する教委でありたい。

 調査は教委の課長級以上が対象。女性の割合は29・9%~0%と自治体によってばらつきが大きく、滋賀は23・1%、京都は17・1%だった。

 多くが女性登用に取り組んでいるが、道半ばのようだ。女性の割合が高い自治体では、残業時間が少ないといい、女性の幅広い部署での登用を10年以上続けてきた蓄積という説明もあった。

 一方で、子育てや介護を理由に遠方の本庁勤務を望まない女性もいるという。教委では各学校への指導やいじめ対策などで長時間労働が常態化していることが問題という指摘も聞かれる。

 女性には大きな負担となり、男性にとっても過労死につながるような現状を改める必要がある。男女の役割分担を見直し、子育てや介護と仕事が両立できる職場環境をつくることが、教委でも求められよう。

 学校現場をみれば、女性教員が多くいる。文部科学省の21年度学校基本調査によると、小学校では女性教員の割合が62・4%に上る。中学校は44・0%である。それが校長などの管理職になると小学校で26・8%、中学校12・8%と低くなる。

 教委への出向は、教員にとって「出世コース」とも言われ、学校に戻ると校長や教頭に昇進する例が多いという。教委の男性偏重は女性のキャリア形成の道を狭めていないか。

 政府は男女参画基本計画でさまざまな目標を定めている。この中で、25年に女性の教育委員がいない教委をゼロにするとしている。各自治体は、教委事務局を含めて女性の登用を積極的に進める必要がある。

 教育を多様で豊かにするためには、方針などを決めるポストに女性が就いていることが重要だ。教委のコースだけではない、幅広い登用の道があっていい。