京都府宇治市の小中学生の読書量が10年前と比べて減少傾向にあることが、1千人規模のアンケートで分かった。「よく読む」は約10ポイント減り、「ほとんど読まない」が上昇。本を読む冊数や時間も落ち込むなど、在宅時間が増えた新型コロナ禍にあっても読書離れが進む実態が浮き彫りになった。
市は「第3次子どもの読書活動推進計画」(2022~33年度)を策定するにあたり、20年に読書活動の意識・実態調査を実施。市内の小学校と中学校各3校を抽出して小学2、4、6年生、中学2年生の計1123人から回答を得た。
小学4年生以上に読書量を尋ねると、「よく読む」が40・7%で、10年前の51・0%から大きく減った。一方、「ほとんど読まない」は28・2%で10年前より4・2ポイント増え、「読みたいがあまり読めない」も26・0%で同3・6ポイント増えた。
読まない理由は「ゲームをしたい」が最多で21・3%。「本を読むのが苦手」が20・6%、「スポーツをしたい」が17・7%で続いた。あまり読めない理由は「習い事や塾で忙しい」が33・9%、「読みたい本がわからない(見つけられない)」が29・1%。
1カ月の読書冊数を尋ねると、「1~3冊」(41・7%)、「0冊」(15・6%)が10年前より約5ポイントずつ増えたのに対し、「4~6冊」以上の層は、ほぼ軒並み減った。1日の読書時間も「30分以内」から上の層は微減傾向だった。
電子書籍の普及を背景に、小学6年生と中学2年生で「パソコンや携帯電話で小説など読んだことがある」との回答は42・2%。「ない」の55・4%を下回ったものの、10年前より約15ポイントも伸びている。
市生涯学習課は「スマホが子どもに身近な存在になってインターネットやゲームに費やす時間が増え、今後も読書離れが懸念される」としつつ、「読書におけるICT機器の活用も検討する時期かもしれない」とする。
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