関西盲導犬協会が飲食店などに置かせてもらっている募金箱。中身は小銭が多いという(京都市中京区・晦庵河道屋本店)

関西盲導犬協会が飲食店などに置かせてもらっている募金箱。中身は小銭が多いという(京都市中京区・晦庵河道屋本店)

 ゆうちょ銀行が1月17日から硬貨の預け入れ・振り込みに枚数に応じて手数料を取り始めたことに、関西盲導犬協会(京都府亀岡市)などの非営利団体が困惑している。運営資金を募金箱で集めている団体にとって、箱の中身の大半は硬貨。「せっかく頂いた善意が、一部とはいえ手数料に消えてしまう」と団体側は危機感を募らせている。

 「募金額の2割ほど、手数料にかかる可能性が高い。どうすればいいか…」。同協会の担当者は表情を曇らせる。

 盲導犬を育成する同協会は、運営費の9割以上を寄付金で賄う。うち1割が飲食店やスーパー、病院など全国約1600カ所に置いている募金箱による収入で、1円玉や5円玉も少なくないという。

 これまではゆうちょ銀行に大量の硬貨を持ち込んでも手数料は無料だったが、キャッシュレス化などを背景に、17日から窓口では51枚以上で550円、101枚以上なら825円、501~1000枚なら1100円と、枚数に応じて手数料がかかるようになった。例えば募金箱に1円玉ばかり51枚ある場合、51円を預け入れるのに550円の手数料を払うことになる。ATM(現金自動預払機)でも、額は異なるが硬貨1枚から手数料がかかる。

 同協会の担当者は「1円の寄付でもありがたいと思っていたが、そう思えなくなるかもしれない」と声を落とす。

 昨年末、同協会は京都市内の中華料理店から回収した募金箱を例に、窓口で預け入れる場合に手数料がいくらかかるか試算した。ほぼ満杯の募金箱の中にあった硬貨は1146枚。手数料は1650円となり、募金額(9527円)の17%に相当した。

 新型コロナウイルス禍前は募金箱での収入が年約1千万円あった同協会だが、手数料の支払いで約200万円の減収を見込む。「募金箱を置かせてくれる店を増やしたり、寄付を積極的に募ったりして総額を増やすしかないのか…」と担当者は頭を悩ませる。

 国内外の被災地や貧困層への寄付を仲介するNPO法人「ドネーションシップわかちあい」(京都市伏見区)も、イベント会場に募金箱を置いてきた。立川さき代表理事(61)は「寄付してくれた方の思いが手数料に行くのは納得がいかない。小さい団体ほど厳しい」と話す。

 ゆうちょ銀行は災害義援金など一部の寄付金については手数料を免除しているものの、関西盲導犬協会が免除を申請したところ「対象外」との回答があったという。ゆうちょ銀行広報部は「どういう団体が免除の対象になるか、具体的な基準は公表していない」としている。