国会は国民の代表として政府に毅然(きぜん)とした姿勢を取るべきだ。

 特定秘密保護法が適切に運用されているかを調べる衆院情報監視審査会が年次報告書をまとめた。

 秘密保護法をめぐっては、政府と行政機関が、本来公開すべき情報まで恣意(しい)的に特定秘密に指定してしまう可能性が、2013年末の国会での法案審議でも指摘されてきた。

 そのため法制定以後、衆参両院に設置されたのが情報監視審査会だ。特定秘密そのものに触れることは難しいが、秘密指定の実態に迫ることができる唯一の外部機関である。

 4回目の報告となる今回は、過去3回の報告も踏まえ、特定秘密の運用基準や秘密文書の廃棄などについて見直しが必要との「意見」を表明した。報告や記録などの提出を政府に求める「勧告」とはしなかった。

 秘密指定の運用に問題があることが明らかになってきているのに、過去3回と同様、「意見」にとどめたのは理解に苦しむ。

 問題の一つは「行政文書が存在しない」特定秘密があることだ。

 外交や防衛などの情報で、入手すれば特定秘密への指定がほぼ確実とされる事項を事前に指定しておく「あらかじめ指定」である。

 政府は国会の審議で秘密指定の対象や指定期間について「必要最小限にする」と説明していた。

 情報の中身を審査せず、自動的に秘密に指定するのは、必要最小限という説明に明らかに反している。

 情報監視審査会はあらかじめ指定の要件の厳格化などを求めたが、詳しい実態報告を迫るべきではなかったか。

 昨年の報告では、各省庁が特定秘密を含む行政文書の保存期間を「1年未満」として大量に廃棄していることがわかったが、改善が進んでいないことも浮かび上がった。

 多くは短期間で変わる暗号や他に原本がある文書というが、誰がどういう基準で廃棄するのかは示されていない。審査会の外部参考人3人は一致してこの点が不透明と指摘し、ルール化が必要と指摘した。政府は重く受けとめるべきだ。

 審査会の説明要求に対し、特に外務省が「第三者から非公開を前提に提供された」として概要の説明すら拒む事例が多いことも浮かび上がった。

 審査会は「真摯(しんし)な対応」を求めた。国民の代表として厳しい態度で臨むのは当然だ。