昨夏に大津市で女児が死亡した事件について話し合った児童虐待検証部会の委員ら(19日、大津市松本1丁目・大津合同庁舎)

昨夏に大津市で女児が死亡した事件について話し合った児童虐待検証部会の委員ら(19日、大津市松本1丁目・大津合同庁舎)

 昨年8月に滋賀県大津市の自宅で、ネグレクト(育児放棄)下にあった無職少年(18)が小学1年の妹=当時(6)=を暴行し死亡させた事件を検証する滋賀県の「児童虐待事例検証部会」(部会長・野田正人立命館大特任教授)の3回目の会合が19日夜、同市内で開かれた。県外の児童養護施設からきょうだいを滋賀で受け入れる際、引き継ぎの重点項目の違いなどから県の児相が虐待リスクを認識するのは困難だったとして、府県をまたぐ児相間の情報共有の在り方に課題があったとした。

 部会は非公開。野田氏によると、会合では、少年の家庭に対応していた大津市の「子ども家庭相談室」の担当者など県内の複数の関係機関に聴き取りを実施。担当者は、ほぼ面識がないきょうだいが同時期に母親(41)と同居を始めることに「違和感や驚き」を感じていたという。母親の元へ戻す判断をしたのは京都府と大阪市の児相で、引き継ぎでは、虐待や事件発生の危険性は認識できなかったという。

 野田氏は、県が危険性を認識できなかった一因に、児相ごとに家庭内のリスク評価の手法やそれを記載する書類の書式が異なることなどを挙げ、「膨大な量の記録の引き継ぎがあった時に、必要な情報や支援のポイントが読み取りやすいよう、全国で書式を統一することが必要」と指摘した。