自由な発想 豊かな技術

nendo×京都の匠展の冒頭に飾られた作品「fuuーraijin」。京指物・宮崎家具との共作で、風神が持つ風をはらんだ袋と雷神のひねった体を格子だけで表す。膨らんで見える部分も全て平面で作られている(京都市中京区・二条城)=撮影・辰己直史

 東京とミラノを拠点に国内外で高い評価を受けるデザインオフィスnendo(ネンド)。チーフデザイナー佐藤オオキさんと、京都で伝統の技を伝えてきた作り手たちが発想と技術の豊かさを見せる「nendo×京都の匠展-NENDO SEES KYOTO」が2月13日まで、二条城(京都市中京区)と清水寺(東山区)で開催中だ。

庭石を切り、片側を精巧な木彫で復元して接合、引き出しも付けた作品「ishidansu」。小川勝章さんとの共作で、庭園の趣を室内に持ち込むことを提案している=撮影・辰己直史

 京指物の宮崎家具とのコラボ作品は、格子の曲げ具合だけで表現した風神雷神図。立体的に見えるが、完全な2次元(平面)だ。造園の「植治」次期当主の小川勝章さんとの作品は「室内に庭園の趣を」と考え、石と木を組み合わせて引き出しも付けた。香の老舗松栄堂との作品は、2種の香を結び合わせ、火をつけると結び目で香りが混ざり合う。釜師大西清右衛門さんとの作品は、3Dプリンターで制作した器に伝統の技が表情をつけている。

香老舗松栄堂との共作「yuikou」。2種の香が水引のように結び合わされ、たくことで香りの融合も楽しめる(撮影=吉田明広)
3Dプリンターで制作した器の表面を、十六代大西清右衛門さんが茶釜の伝統技法で装飾した作品「teppun」。近くで見ると外側と内側の表情の違いが分かる(撮影=吉田明広)

 展覧会のサブタイトルには、ヨーロッパに活躍の場を広げてきたnendoが日本、京都に触れ、新たな視点を提案するという意味が込められている。

 いつも足していたものを引いてみる、素材をひっくり返してみるなど、nendoのデザインは固定観念から離れた面白さが魅力だ。「作品のデザインを提案すると、どの作り手も一瞬沈黙した。拒否されたのかと思ったが、そうではなく、誰もがその瞬間から『どう作るか』を考えていた」と佐藤さんは振り返る。

小嶋商店とのコラボによる作品「hyouri」。提灯を形作る竹ひごに関節を設けて柔軟性を持たせ、表面はシルク・オーガンジーを貼って繊細な趣を出した=撮影・辰己直史

 nendoの自由な発想と、その提案に応えた京都の作り手たちの高い技術が楽しめる展覧会だ。



【会期】開催中~2月13日(日)※清水寺経堂は2月6日まで
【会場】二条城台所・御清所(京都市中京区)、清水寺西門・経堂(東山区)
【開館時間】二条城=午前9時~午後4時(受け付け終了)、清水寺西門=午前6時~午後6時、同経堂=午前9時~午後6時
【入場料】二条城=一般500円、高校生以下無料(別途入城料が必要)、予約優先制(https://www.e-tix.jp/nendo_kyotonotakumi/からアクセス)、清水寺=無料(本堂は別途拝観料が必要)
【主催】nendo×京都の匠展実行委員会(nendo、京都市内博物館施設連絡協議会、京都市観光協会、京都新聞、京都市、京都市教育委員会)