「ネットいじめを防ぐには家庭でのコミュニケーションが大切」と話す原教授(京都市北区・佛教大)

「ネットいじめを防ぐには家庭でのコミュニケーションが大切」と話す原教授(京都市北区・佛教大)

 大学研究者らのグループによる大規模調査で、京都府、滋賀県の高校生でネットいじめが増え、特にオンラインゲームでの被害が急増していることが分かった。保護者や教員からは見えにくいネットいじめを防ぐには、どうすればよいのか。調査を主導した佛教大の原清治教授(教育社会学)に聞いた。

 -オンラインゲームでのいじめの特徴は。

 「新型コロナウイルスの影響で、オンラインゲームで遊ぶ時間が増えたが、チャットなどで『下手くそ』『おまえなんか来るな』などと言われていた。ゲーム内で知り合いができても、関係が希薄なため中傷に発展しやすい。また、ゲーム内で『プレくれ(プレゼントをくれ)』などと課金アイテムを要求されることもあるが、これはゆすり、たかりだ。現実世界で急に子どもがいい時計を着けていれば保護者は気付くが、ゲームでは分からない」

 -なぜネットいじめが発生するのか。

 「加害者側にあまり悪意がない場合がある。例えば、部活動のグループLINEに嫌なことが書き込まれた場合、加害者はネタを提供してみんなで笑っただけというつもりでも、被害者は急に自分のことをさらされて衝撃が大きい。関西では『いじり』はコミュニケーションの道具の一つだが、それが弱い立場の生徒にいき、固定化されるといじめになる。それがネットで起きれば、逃げ場がない。それが怖い」

 -どう家庭で対処すべきか。

 「スマートフォンやタブレット端末などを取り上げるのは難しい。使う時間や場所、課金などのルールづくりが大切。リビングで使えば悪いこともしづらい。調査でもルールを守る生徒は被害に遭う率が低かった。ネット全盛の時代だからこそ家での会話が大事だ。保護者は意見を言うだけでなく、話を聞いてあげると子どもは自分が認められたと思う。互いの意見の落としどころを探す姿勢が大切。それが人権を守る意識につながる」

 -学校ではどう啓発すべきか。

 「学力に課題がある生徒が多い学校は直接的に個人を攻撃するいじめが多く、そうでない学校はネタを共有して笑うような間接的ないじめが多い傾向がある。生徒の実態に合わせて、何がだめかしっかり教えたり、軽いいじりでもいじめにつながると教えたり、啓発の仕方を変えるべきだ」