2020年1月に死んだ京都市動物園の雄ライオン「ナイル」の姿を、3人の芸術家がそれぞれの視点で描いた作品展が22日、上京区新町通上立売上ルのギャラリー「be京都」で始まった。
革工芸作家の木戸誠司さんが、ナイルの生前の姿を見ることができなかった娘にと、実物大の革レリーフを制作したのがきっかけ。木戸さんに写真を提供した写真家山下恵子さん、学生時代に日々、ナイルをスケッチしていた画家小林徹也さんもそれぞれの「ナイル」を出し合った。
ナイルの顔が突き出たレリーフは縦1メートル、横70センチ、奥行き30センチ。テーマの「優しさと威厳」を、元気なころのナイルの柔和な表情や豊かなたてがみで表した。
一方、たてがみの一部が元気を失い、耳をのぞかせることで、国内最高齢の25歳10カ月まで生き抜いたことも示した。
仲の良かった雌ライオン「クリス」とじゃれる姿の写真や、スケッチを基にした切り絵など計26点を展示している。27日まで。午前10時~午後5時(最終日は午後4時まで)。無料。終了後の29日、木戸さんがレリーフを市動物園に寄贈する。