ハダニとつる草の攻防

ハダニとつる草の攻防

 青葉のまぶしい5月から夏に向け厄介なのが、庭などにはびこる雑草。しかし敬遠されがちな雑草の世界にも、人知れぬ害虫との闘いがある。その攻防の一端を、京都大のグループが明らかにした。主役はつる草。驚くほど「賢い」戦略を駆使して、害虫の侵入をかわしているという。

 ほかの植物に巻き付くつる草であるブドウ科のヤブガラシは道端など至る所に生育し、時には約10メートルの長さに達する。一方、先行研究で、血縁関係にあるほかの株には巻き付かないといった「賢さ」が明らかになっている。農学研究科の矢野修一助教らは、ほかにもヤブガラシの賢い戦略があると予想し、葉を食べるハダニという害虫を避ける方法に着目した。

 グループは、ハダニに寄生されたインゲンマメの株を近くに置き、ヤブガラシが巻き付くかどうかを調べた。その結果、ヤブガラシは巻き付くことはなかった一方、同じつる草のアサガオはインゲンマメに巻き付く場合もあり、移動してきたハダニに寄生された。ヤブガラシが何に反応してハダニを避けているか詳しく観察した結果、寄生した植物の表面にハダニが作る「網」を感知していると分かった。

 矢野助教は「ヤブガラシが『賢く』生き抜くためにハダニを避けていると予測して調べたら、本当にそうだったので感動した。雑草は植物界のたくましい『エリート』。雑草の世界も面白いですよ」と話す。

 今回の知見を逆手にとって、つる草の巻き付きにくいフェンスを開発できる可能性もあるという。研究成果は、英科学誌サイエンティフィック・リポーツにこのほど掲載された。