京都医療少年院の感謝状を手に指導の17年を振り返る清水さん(京都市右京区・梅津将棋クラブ)

京都医療少年院の感謝状を手に指導の17年を振り返る清水さん(京都市右京区・梅津将棋クラブ)

 京都市右京区で将棋クラブの席主を務める清水忠治さん(83)=同区=が、2004年から京都医療少年院(京都府宇治市)で矯正教育を受ける在院生に手ほどきしてきた将棋指導を昨年末で退き、同院から感謝状を受けとった。

 バスと地下鉄、電車を乗り継いで片道1時間半。月平均3回程度の訪問回数は、約530回にもなる。

 将棋指導は、大盤で駒の動きや戦術を教えたり、立ったまま同時に数人の少年たちと対局するなど90分間。謝礼は往復の交通費程度という奉仕だったが、身体的な限界を感じて終止符を打った。

 少年保護司を務めたこともある清水さんは、「将棋は礼儀や忍耐力が身につく。子どもたちが立ち直る手助けになれば」と医療少年院に申し出て訪問指導を始めた。

 「子どもたちをほめてやり、存在を認めてあげることが自信になる」と対局指導ではヒントを与えて清水さんがあえて負けるように誘導。2カ月クールの最終日には、教え子の上達に応じて日本将棋連盟公認の認定状を手渡している。

 在院生は治療を終えると出院するため、1回の指導にとどまる場合もあれば、3年近く教えた少年もいる。「教え子はおそらく300人以上。社会復帰して礼状をもらったり、将棋クラブを訪ねて来てくれる子もいました。節目には、八幡市出身の佐藤康光九段をはじめプロ棋士の先生方にも手伝っていただき、思い出はつきません」と振り返る。

 将棋クラブでは現在も、週末に約50人の小中学生を教えており、「こちらは生涯現役です」と普及に意欲をみせる。