政府が補助金を出し、ガソリンなど石油製品の価格を抑制する対策がきょう初めて発動される。

 原油急騰を受けて今週、レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格が、政府の目安である170円を突破したためだ。

 約13年ぶりの高値を受けて、新型コロナウイルス禍から日本経済を立て直すのに、必要な措置ともいえよう。

 ガソリンなどにかかる税金を、一時的に引き下げる「トリガー条項」の適用は、法改正も必要で間に合わない。今回の抑制策は、昨年に打ち出された追加経済対策の一環でもある。

 とはいえ、政府が石油製品の市場価格に介入するのは異例で、効果があるのか見通せないという。

 抑制策は、ガソリン、灯油、軽油、重油を対象に、いずれも1リットル当たり3円40銭の補助金を、石油元売り業者に支給し、店頭価格への反映を狙うものである。

 発動の目安を超えた額に、直近の原油価格上昇分を加えて支給するので、元売りは価格を抑えて小売りに卸せる。

 だが、小売りは競合店の動向などを踏まえ、店頭価格を自由に設定するので、必ずしも値上げに歯止めがかかるわけではない。

 このため、石油業界は「消費者には分かりにくく、店頭でトラブルにならないか」と懸念する。

 抑制策の仕組みについて、国民への周知を徹底したい。

 原油高騰は、世界経済がコロナ禍から回復に向かい、需要が高まる一方で、産油国に関係する中東やウクライナなどの情勢が緊迫して、今後、安定供給できるか不透明なことが原因である。

 政府は、急騰の影響を和らげる措置と位置付け、発動期間を3月末までに限定している。

 発動の目安とする額は、170円から4週ごとに1円ずつ引き上げて、2月23日からは171円、3月23日からは172円とし、これを超えなかった週は、補助金を支給しない。補助の上限は1リットル当たり5円とする。

 これでは、国際情勢が急変し、さらに高騰が進むと対応し切れないのではないか。3月以降に実施する石油備蓄の放出は、量的に大きな期待がかけられないとされる。

 コロナ禍に伴い、原材料の値上げが相次ぐ。石油製品の価格だけを下支えするのは、市場の機能をゆがめる、との指摘もある。

 抑制策発動の実効性について、政府は事後に、しっかりと検証するべきだ。