「チームプレー、フェアプレーが高校野球の原点」と語る日本高野連の宝馨会長(京都市左京区)

「チームプレー、フェアプレーが高校野球の原点」と語る日本高野連の宝馨会長(京都市左京区)

 日本高校野球連盟の第8代会長に、京大野球部で選手や監督を務めた宝馨氏(64)=京大大学院教授=が就任した。少子化による競技人口の減少、収束が見えない新型コロナウイルスによる大会運営への影響など、さまざまな課題に直面する中、これからの高校野球の展望を聞いた。

 ―昨年12月に会長に就任した。京大出身者としては第2代の中沢良夫氏以来2人目となる。

 「反響の大きさに驚いている。中沢さんら京大の先輩たちが、高校野球の発展に尽力されてきた。そうした歴史があって自分が選ばれたと思っている。選手や監督の経験を生かし、現場の人たちと気持ちを共有しながら会長職を担っていきたい」

 ―高野連として取り組むテーマは。

 「昨夏の甲子園は、天候不順で順延が相次いだ。雨天時に試合を中断して後日に続きを行う『継続試合』はぜひ実現したい。野球人口が減っていることも課題。引き続き『高校野球200年構想』に基づいて普及を進め、ファンを開拓したい」

 ―選手の健康を守る対策は。

 「最重要の課題だ。1週間で1人500球の球数制限は、来年度まで試行期間となる。僕も監督をしていた時、田中英祐(元ロッテ)の投球数を抑えたことがある。球児が肩や肘を壊さず、一生野球を楽しめるように考えたい。指導者向けに安全対策の研修も必要かもしれない。けが防止のため検討してきた低反発バットの導入も早晩、決着すると思う」

 ―今後もコロナ禍で難しい大会運営が迫られる。

 「夏の甲子園や明治神宮大会で全選手にPCR検査を行った。選手の通路を他と分けたり、これまでの工夫で良いものは踏襲していく。応援方法なども制限はあるが、観客に理解してもらっている」

 ―理想とする高校野球の姿は。

 「(第3代会長の)佐伯達夫さんは『無心の球を無我の境地で追い続けることが、高校野球の命』と書いている。目立ちたいという思いではなく、チームのためにプレーし、努力することが、野球の原点。肝に銘じ、選手にも伝えていきたい」

■たから・かおる 滋賀県彦根市出身。城東小1年で野球を始めた。西宮北高時代に兵庫大会で甲子園球場での登板経験もある。京大ではエース。卒業後も2005~18年に野球部長、1981~82年と2013~14年に監督を務めた。関西学生野球連盟で審判や副会長を歴任。大学の専門は地球上の水の循環を研究する水文学。京大防災研究所所長などを務め、現在は大学院総合生存学館教授。京都市北区。