来年の京都府大会に向けて、自転車の安全な乗り方を練習する児童たち(亀岡市千代川町・千代川小)

来年の京都府大会に向けて、自転車の安全な乗り方を練習する児童たち(亀岡市千代川町・千代川小)

 毎年夏に東京で開かれる小学生の「交通安全子供自転車全国大会」が来年、東京五輪の影響で中止されることになった。会場が五輪関係施設となり、審査員の警察官も確保できないためだ。大舞台を目指して練習を重ねてきた京都府内の小学校からは「児童には一度しかないチャンスなのに」と、戸惑いの声が上がる。

 大会は警察庁と全日本交通安全協会の主催で、1966年から開かれてきた。54回目の今年は予選の都道府県大会に786校が出場し、8月の全国大会では都道府県代表47校の児童188人が、実技と学科試験で交通安全を競った。

 しかし、会場の国際展示場「東京ビッグサイト」は来年の五輪期間中、メディア用の国際放送センターになる。協会は3年前から他会場を探したが、代わりの大型屋内施設がなく、警察官は交通規制や警備に動員されるため、審査員を確保できなかった。

 協会は冬休み開催も検討し、東海地方まで範囲を広げて探したが、参加者の宿泊施設も必要で、適地が見つからなかった。協会担当者は「全国で頑張っている児童には本当に申し訳ない」と謝罪する。

 府内の強豪校がそろう亀岡市では失望が広がる。前回府大会では上位3校を同市の小学校が独占し、千代川小が15連覇した。2006年には全国優勝にも輝いた同小は、府大会出場権を争った今月2日の市大会で1位通過したが、来年の府大会でたとえ優勝しても全国への道は閉ざされる。

 同小児童には9月下旬、中止が伝えられ、がっかりしていた、という。5年生の男女4人チームは、目標を全国優勝から府大会16連覇に切り替えて走行練習や学科の勉強に励み、今夏の全国大会に出場した6年生も「指導者」として足を運ぶ。

 監督の教諭は「児童、保護者にも『なぜ』という思いは残るが、『五輪のため』と言われれば仕方がない」と嘆く。子どもたちにとっては五輪に夢を奪われる形となり、亀岡市の関係者からは「児童の心に五輪が悪いイメージで残ってしまう」と心配する声も上がっている。