京都地裁

京都地裁

 京都市の児童養護施設で起きた性的虐待事件を内部告発するため、児童に関する相談記録を持ち出した男性職員(50)が、市から受けた懲戒処分は違法として市に約399万円の損害賠償を求めた訴訟の弁論準備手続きが28日、京都地裁(池田知子裁判長)であった。市との和解を拒否する方針を明らかにしていた男性側は、この日までに新たな主張を裁判所に提出。和解協議は決裂し、審理が続く見通しとなった。

 男性側の代理人弁護士によると、相談記録の持ち出しに対する懲戒処分が最高裁で取り消された後、改めて市が男性をけん責処分にしたことや、市議会で和解に向けた解決金を支払うための議案を可決する際、事実に反した付帯決議が可決されたことについて、行政事件訴訟法に違反するとして、220万円の損害賠償を追加する主張を新たに裁判所に提出した。

 市コンプライアンス推進室は「和解協議が決裂したことは残念。こちらも必要な主張をしていく」としている。

 訴訟を巡っては、市が解決金120万円を支払うための議案を昨年11月議会に提出、可決されたが、その際に「児童記録の不適切な閲覧や個人情報の漏えいは議会としても看過できず、今事件の発生により市に対する市民の信頼が失墜した」とする付帯決議が可決され、名誉が傷つけられたとして男性側が和解を拒否する意向を示していた。