鮮やかな黄色に染められ、職人が工房に手際よく張り渡した「寒の糸」(滋賀県長浜市木之本町)

鮮やかな黄色に染められ、職人が工房に手際よく張り渡した「寒の糸」(滋賀県長浜市木之本町)

 厳しい寒さが続く中、滋賀県長浜市木之本町で和楽器に使う糸の製造が進んでいる。伝統的な生糸の生産地として知られる同町の工房では、幾重にも張られた黄色い糸に付いたのりを職人が丁寧に拭き取るなど、仕上げの作業に余念が無い。

 「丸三ハシモト」は地元産の生糸などを用いて、三味線や琵琶、琴などの約400種類の糸を作る。製造は年中行うが、12~2月末にできた糸は「寒の糸」と呼ばれ、固く締まって澄んだ音がすることで、演奏家に好まれるという。

 工房では、ウコンで染めた糸を15メートル離れた2本の柱に掛けて2~5日間干す。手触りを良くするため、糸に残った節を削り、餅から作ったのりを引くなどして完成させる。

 新型コロナウイルス禍で減っていた注文も昨年秋から少しずつ戻ってきたといい、橋本英宗(ひでかず)社長(47)は「伝統文化を守りながら、演奏家が安心して活動できるように、これからも糸を作っていきたい」と話した。