大阪高裁

大阪高裁

 滋賀県日野町で1984年、酒店経営の女性=当時(69)=が殺害され金庫が奪われた「日野町事件」の第2次再審請求の即時抗告審で2日、弁護団が最終意見書を大阪高裁に提出した。2018年7月に大津地裁が再審開始を認め、検察が即時抗告して以降、約3年半続いた審理は大詰めを迎える。


 事件の争点は、強盗殺人罪で無期懲役が確定した阪原弘元受刑者=服役中の11年に75歳で死亡=の自白の信用性と任意性。再審請求審では、阪原さんが金庫発見現場まで捜査員を案内したとされる「引き当て捜査」で、復路で撮った写真を往路の写真として調書が作成されていたことが判明し、18年7月、大津地裁は「警察官が意図的な断片情報を元受刑者に提供するなどしたことで、案内できた可能性がある」として再審開始を決定。大津地検が即時抗告し、大阪高裁で審理が続いている。


 弁護団は2日、言語学者の鑑定書を新たに証拠提出し、最終意見書に盛り込んだ。引き当て捜査や取り調べの際のやり取りを分析し、事実を知らなくても捜査官に合わせて自白することがある、とする内容で、大津地裁決定の内容を補強したという。


 また、弁護団が昨年に提出した法医学者の遺体鑑定書にも改めて言及し、阪原さんの自白した遺体の遺棄方法と実際の状況が矛盾することを強調した。


 弁護団によると、検察は即時抗告審では新たな立証をしていないが、昨年11月の三者協議で「(弁護側の最終意見書を見て)必要な反論はしたい」と述べていたという。


 伊賀興一弁護団長は「再審開始確定に向けてギアを上げた。大津地裁決定が指摘した再審の理由は、即時抗告審でより強固になった。速やかな再審公判、無罪判決が求められる」としている。