近所の男性が持ち込んだボールなどの遊具が散らばる公園(1月28日、京都府宇治市木幡)

近所の男性が持ち込んだボールなどの遊具が散らばる公園(1月28日、京都府宇治市木幡)

男性が鉄棒にロープで結びつけた遊具。児童らが乗って遊んでいた

男性が鉄棒にロープで結びつけた遊具。児童らが乗って遊んでいた

 京都府宇治市内の公園にハンモックなどを無許可で設置したとして1月中旬、近所の男性(82)が都市公園法違反の疑いで京都府警宇治署に逮捕された。男性は約15年前から市の指導に従わずに遊具の持ち込みを続け、市が「これ以上放置できない」と告訴、異例の逮捕となった。釈放後の京都新聞社の取材に「子どもたちを喜ばせたかった」と主張している。

 市公園緑地課によると、男性は2006年ごろから自作のハンモックやブランコ、ボールなどを同市木幡の公園に持ち込み、住民から「けがをしたら危ない」と苦情が相次いでいた。遊んでいた子どもが軽傷を負ったこともあり、職員が訪れたり、掲示物を張ったりして注意してきたという。

 いったん撤去しても再び設置し続けたため、昨年12月24日に都市公園法に基づく中止命令を出した。それでも同日に園内の木にハンモックを取り付けたため、同署に告訴した。

 男性は1月18日に逮捕され、翌日に釈放、同署が任意に切り替えて捜査を続けている。同月下旬、記者が公園を訪れると、男性が再び持ち込んだボールや風船などが置かれ、遊びに使っている児童もいた。

 取材に応じた男性は、自分が子どもの頃は野山で自由に遊べたが、現代では遊び場が限られており「子どもがかわいそう。唯一遊べる公園では大いに楽しんでほしい」と語った。逮捕については「公園に何一つ自由に置けない法律はおかしい。万一の危険を言い出せば、何の遊びもできない」と持論を展開した。

 一部の近隣住民は「遊び道具を用意してくれて、ありがたい面もあった」と複雑な心境を明かした。

 市によると、無許可の遊具が原因で市民を告訴するのは初めて。公園にはブランコなど既存の遊具があり、市が点検して安全性を確かめているが、男性のハンモックなどは「ロープが切れたりほどけたりする恐れがある。これ以上放置できず、やむを得ない措置」とする。

 公共性が高い自治会の防災倉庫などは公園への設置許可を出しているが、遊具は認められないとし「公共の場は安全、平等に使えるのが望ましいと理解してもらいたい」と男性に求めている。