「母が生きているうちに無罪を確定させたい」と語る阪原弘次さん(右)と伊賀弁護団長=9日午後3時36分、大阪市・大阪弁護士会館

「母が生きているうちに無罪を確定させたい」と語る阪原弘次さん(右)と伊賀弁護団長=9日午後3時36分、大阪市・大阪弁護士会館

 滋賀県日野町で1984年、酒店経営の女性=当時(69)=が殺害され金庫が奪われた「日野町事件」の第2次再審請求の即時抗告審で、強盗殺人罪で無期懲役が確定した阪原弘元受刑者=服役中の2011年に75歳で死亡=の遺族と弁護団が9日、大阪市内で会見を開いた。遺族は即時抗告審で3年半の年月が流れていることを批判し、「一日も早く再審開始を認めてほしい」と訴えた。

 事件では18年7月に大津地裁が再審開始を認め、検察が即時抗告して以降、大阪高裁で審理が続き、今月2日、弁護団が最終意見書を提出した。阪原元受刑者の長男弘次さん(60)は「3年半が過ぎ、いつになったら再審が決まるのだろうという思い。84歳の母が生きているうちに無罪を父の墓前に報告して、家族で喜びを分かち合いたい」と強調した。

 長女美和子さん(58)は「最終意見書に目を通して、父の無実を示す根拠がこれだけたくさんあるのに、いまだに殺人犯にされたままでいて、24年間刑務所で苦労した父の顔が思い浮かんで泣きそうになった。(裁判官には)意見書をしっかり読んで再審開始を認めてもらいたいと心から願っている」と語った。

 弁護団によると、検察は新たな立証をしておらず、最終意見書に対し反論するかどうかもこの日までに明確にしていないという。伊賀興一弁護団長は3年半を振り返り、「検察が理由のない即時抗告をしただけでなく、裁判官も速やかに審理して却下できたのにしてこなかった。最初の2年は当時の裁判長が三者協議も開かないまま東京高裁に移り、怒りを覚えている」と批判した。