国政選挙前に自民党京都府連から地方議員に支出される資金に関する内部文書。府連を仲介することで「マネーロンダリングをする」と記載されている

国政選挙前に自民党京都府連から地方議員に支出される資金に関する内部文書。府連を仲介することで「マネーロンダリングをする」と記載されている

国会議事堂

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 自民党京都府連が国政選挙の前に党所属の府議、京都市議に支出している政治資金が選挙活動への実質的な対価となっている可能性があることが9日、府連などへの取材で分かった。府連は「正当な政治活動」と主張するが、京都新聞社が入手した府連の内部文書では「候補者がダイレクトに議員に交付すれば公職選挙法上は買収になるので、(府連を経由した)マネーロンダリング(資金洗浄)」と明記している。識者は「当事者の認識次第では買収に当たる可能性がある」と指摘する。

 資金は、府連が「交付金」などの名目で府議、京都市議が代表を務める党支部などに支出している。府連によると、直近では衆院選直前の昨年10月初め、各50万円を口座振り込みで支払った。府連は「岸田文雄党総裁の就任を受け、党ポスターの張り替えや機関紙配布などの党勢拡大活動への原資」と説明する。

 一方、2014年に府連で作成されたとみられる事務引き継ぎの内部文書によると、資金の原資は府連所属の国会議員や選挙区支部長(国政選挙の候補予定者)からの寄付金。府連を通す理由として文書は「いわばマネーロンダリングをする」とし、事実上選挙活動への対価であることをうかがわせている。こうした支出が始まったのは「相当以前から」と記している。

 また政治資金収支報告書によると、19年7月の参院選前にあたる18年12月~19年5月、京都選挙区の候補者である西田昌司参院議員の選挙区支部から府連に計2770万円が支出され、府連からは選挙の前後に府議や市議が代表を務める政治団体などに交付金などが支払われている。

 府連会長を務める西田氏は京都新聞社の取材に対し、「政党活動としてやっている。違法性は全くない。(内部文書は)見たこともない」と疑いを否定。資金を受け取った京都府議の1人も「資金を国政選挙で有権者の集票に使っているのであれば買収に当たるかもしれないが、事務所費など政治活動の経費に使っており、問題はない」と語る。複数の京都市議も「選挙活動の対価という認識はない」と述べた。

 政治資金問題に詳しい神戸学院大の上脇博之教授(憲法学)は「公選法が禁じる買収に当たるかどうかは資金を渡した国会議員、受け取った地方議員それぞれの認識が重要になる。内部文書からは少なくとも府連が買収の意図を持って仲介していたことがうかがえる。内部文書の記載は詳細かつ具体的で信憑(しんぴょう)性も高い」との見方を示す。