作者の思いを反映させた展示スペース。床一面には来館者が制作した座布団が展示されている(亀岡市北町・みずのき美術館)

作者の思いを反映させた展示スペース。床一面には来館者が制作した座布団が展示されている(亀岡市北町・みずのき美術館)

保管のために絵画を積み重ね地層のようになった作品群

保管のために絵画を積み重ね地層のようになった作品群

使用済みマスキングテープを壁にはった作品

使用済みマスキングテープを壁にはった作品

 京都府亀岡市北町のみずのき美術館で、企画展「なんたうん2022」が開かれている。障害者支援施設やフリースクールの利用者らが作り自ら出品したいと思った作品の展示や、来館者が壁画などを制作するコーナーがあり、観賞するだけでなく創造の喜びを体感できる仕掛けとなっている。

 美術界の評価や教育に影響されていない人が手掛けるアール・ブリュット(生の芸術)の展示で知られる同美術館。従来は主に館側が出展作や展示方法を決めてきたが、今回の展覧会では、できる限り作者の思いを表現できるよう、作者側に作品選定や展示の手法を委ねた。

 福祉施設やフリースクールの利用者32人が、とっておきの作品を出品。壁のどの位置に展示するかなども、出品者や施設スタッフが決めた。福祉施設で日々制作されている絵画を地層のように重ねて保管していた作品群も、そのまま展示した。

 また、来館者が座布団を彩色したり、いろいろな形にカットした厚紙や壁一面に貼った白紙に自由に絵を描くコーナーも設けた。座布団を彩色した際に使用したマスキングテープも来館者の発案でごみとせず、壁に貼り作品として展示するなど、見方を変える面白さも発信している。

 キュレーターの奥山理子さんは「美術館側の審美眼のみによらない、作り手の思いを感じてもらえれば」としている。座布団作りや壁画作りなどは会期中、誰もが参加できる。27日までの金曜、土曜、日曜、祝日のみの午前10時~午後6時開館。入館無料。