政府は、新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置の期限を20日に迎える21道府県のうち、京都、大阪など16道府県で来月6日まで2週間延長する方針だ。

 全国的に新規感染者数の伸びが鈍化し、減少に転じる兆しも見えてきている。

 だが、多くの地域で医療体制の逼迫(ひっぱく)が厳しく、死者数が高齢者を中心に過去最多を相次ぎ更新している。警戒を一様に緩める状況にないのは明らかだ。

 深刻な高齢者施設の集団感染への対策強化など、命を守るための重点的な取り組みが求められる。

 東京など13都県に続く重点措置の延長で、27日までの和歌山県も延長方針だ。いずれの期限も来月6日にそろえ、春の行楽や進学・転勤など移動の多い時季を前に収束させたい狙いがうかがえる。

 沖縄、山口など5県は地元要請を基に解除する。1月9日から適用を順次広げた感染「第6波」で初の解除で、対応が分かれた。

 全国の直近1週間の感染状況は前週比0・9倍と減少傾向が表れ、厚生労働省に助言する専門家組織が示した「ピークを越えた」との見方が背景にあるだろう。

 ただ、遅れて高齢者に感染が広がり、各地で病床使用率が上昇している。死者数は3日連続で200人を超え、過去1カ月では9割が70代以上だったという。

 現在主流のオミクロン株は、従来のデルタ株などに比べ重症化率は低い。このため政府、自治体も経済に打撃が大きい緊急事態宣言に慎重なままだが、高齢の患者数増加により重症者、死者が増えている現実を直視せねばならない。

 高齢者施設での集団感染は、1月に全国で338件(28日まで)に上り、第5波ピークの昨年8月の2・5倍に上る。

 感染しても病床の不足や認知症などへの対応が困難だとして入院できず、看護と介護の負担を施設側に強いている。コロナは軽症でも、持病の悪化や体力面で救命治療が行われないままになっている状況は見過ごせない。

 政府は、感染者が療養する施設への補助金増額を打ち出したが、重症者や症状急変の場合に必要な医療が受けられる体制確保こそ急ぐべきだ。全国の自宅療養者約54万人、療養先を調整中の約24万人のフォローを拡充する必要もある。

 延長される重点措置では、飲食店の営業制限要請が引き続き中心となる。人同士の接触を抑えつつ、子どもの間での流行防止などメリハリのある対策も進めていくことが求められよう。