連合が、今夏の参院選の基本方針を決定した。

 支持政党の明示を見送り、政策実現に向けて立憲民主党や国民民主党と「連携を図る」とするにとどめた。

 これまで国政選挙では、旧民主党の流れをくむ政党を支持してきただけに、両党に距離を置く姿勢を示したのは異例と言える。

 約700万人の組合員数を抱える労働組合の全国中央組織として、掲げる政策を実現するために政治とどのように向き合うのかが問われている。

 基本方針では「人物重視・候補者本位で臨む」とし、政策協定は連合と政党ではなく、地方連合会が候補者と個別に締結するという。その上で「目的や基本政策が大きく異なる政党と連携・協力する候補者を推薦しないという姿勢を明確にする」とした。

 連合は昨秋の衆院選について、立民と共産党との共闘によって現場が混乱したと総括しており、「立民を総体として支援」とした衆院選の基本方針から軌道修正を図ったと言えよう。

 共産との共闘見直しについて態度をはっきりさせない立民や、労組批判を続ける日本維新の会と国会対応で協調する国民に対する不信感が背景にあるとみられ、両党に踏み絵を迫った形だ。

 連合は、労働者の権利拡充や処遇改善を目指し、傘下の労組出身候補を国政に送り込むことに力を入れてきた。

 今夏の参院選では、産業別労働組合の組織内候補として立民から5人、国民から4人がそれぞれ比例代表で立候補を予定している。

 ただ参院選は1人区も多い。幅広い野党の共闘なくして、求める改革を実現する勢力の拡大へ展望は見通せないのではないか。

 傘下の組合の中には、政党との関係に変化もみられる。

 自動車総連の中核をなす「全トヨタ労働組合連合会」は、連携先を野党に限定しない方針を表明した。昨年の衆院選では、旧民主などに所属した組織内候補の擁立を見送った。

 自民党との距離感の変化も指摘されている。1月の連合新年交歓会では、岸田文雄首相が首相として9年ぶりに出席した。

 増加する非正規労働者の待遇改善や男女の格差是正、過労死やセクハラなど働く環境や生活を巡る課題は多い。

 労働者、国民を見据え、現状打開に向けた結集に役割を果たせるかどうかが試される。