地域住民らが学校の運営に参画する制度「コミュニティ・スクール」(地域運営学校)の導入が全国で進んでいる。

 2017年の法改正で教育委員会の努力義務となり、文部科学省が全公立校への導入を目指している。

 制度によって地域と学校の連携が深まれば、子どもに多様な学びを提供できるだけでなく、新型コロナウイルス対応などで業務に追われる教員の負担軽減にもつながる。

 住民がやりがいを感じながら学校を地域で支える活動に加われる体制づくりが求められる。

 コミュニティ・スクールは04年に制度化された。地域住民や保護者で組織する協議会が、校長の示す学校運営の基本方針を承認し、教職員の任用に関して教委に意見を述べることができる。

 PTAや学校評議員とは異なり、協議会委員が学校運営に関する一定の権限を持っているのが特徴だ。

 導入された公立学校は、昨年5月時点で全体の33%に当たる1万1856校に上る。通学圏が広い高校などに比べ、地域との結びつきが強い小中学校でより普及している。

 協議会が中心となってさまざまな活動に取り組む例もある。京都市内の小学校では、住民が地域に伝わる遊びやものづくりを児童に教えたり、校内清掃や図書室の本棚の整理を手伝ったりしている。

 岡山県の小学校では、地域や家庭との役割分担により、教員の残業時間を平均で約3割減らすことができたという。

 制度を学校運営の改善につなげるには、各学校の実情を住民側に包み隠さず伝え、課題を共有することが欠かせない。

 ただ、現状では学校と地域の連携がうまくとれていないケースもあるようだ。

 昨年4月に開かれた文科省の制度検討会議では、協議会の関係者から「先生の苦悩も共有して活動したいのに、扉を閉ざしてしまっている学校もある」との指摘も出された。

 文科省は地域の事情に精通したコーディネーターを各学校に配置し、協議会との調整や活動の企画などに当たってもらうことを促している。

 設置主体である各教育委員会も、先進的な取り組み事例の紹介や関係者向けの研修会の実施など、協議会と学校がうまく連携できるよう支援してもらいたい。

 委員の人材確保も重要だ。

 各学校は、自治会やPTAの役員らを中心に協力を呼び掛けているが難航することも少なくないようだ。

 委員を広く公募するなど意欲のある住民の参加を進める必要がある。制度そのものを知ってもらうための情報発信も欠かせない。

 文科省の制度検討会議は、協議会に児童生徒が関わることも提言している。

 学校生活に関する子どもたちの要望に耳を傾け、住民と世代を超えて交流を深めることが大切だ。

 制度をうまく活用することで、地域に根ざし、開かれた学校づくりにつなげられるよう、さらに工夫を凝らしてほしい。