京都市交通局が名前を「上終町・瓜生山学園京都芸術大学前」に変更するバス停(京都市左京区)

京都市交通局が名前を「上終町・瓜生山学園京都芸術大学前」に変更するバス停(京都市左京区)

 大学名を争った余波なのか―。京都市交通局は3月に行う市バスのダイヤ改正で、京都芸術大(左京区)前のバス停の名前を「上終(かみはて)町京都造形芸大前」から「上終町・瓜生山(うりゅうやま)学園京都芸術大学前」に変更する。同大学の名称変更に伴ってバス停名も変わる形だが、学校法人名が追加されるという思わぬ結果に京都芸術大は「残念」と肩を落としている。

 京都芸術大は2020年4月、大学名を「京都造形芸術大学」から現在の名称に改めた。変更前の同1月にはバス停も「上終町京都芸術大学前」に変更してほしいと交通局に要望していた。しかし当時は、京都芸術大を運営する学校法人瓜生山学園(左京区)に対し、京都市立芸術大(西京区)が「混乱を招く」と校名の使用差し止めを求めた訴訟(19年9月に提訴)が継続中で、交通局は要望を受け付けなかった。

 しかし訴訟は21年7月、「京都芸術大」の使用に市立芸大が異議を述べないなどの内容で和解し、一応の決着をみた。市交通局は和解から4カ月後の21年11月、京都芸術大側に最寄りのバス停名を「上終町・瓜生山学園京都芸術大学前」に改める方針を伝えた。取材に対し、変更を決めた理由について「どんな名称が利用者にとって最も分かりやすいか検討し、判断した」と説明し、あくまで和解成立とは無関係と主張する。

 では、なぜバス停名に「瓜生山学園」が必要なのか。市交通局は23年に市立芸大が京都駅近くに移転すれば、最寄りとなるバス停「塩小路高倉」を市立芸大を冠する名前に変える可能性があるためだと強調。「『瓜生山学園』がなければ同じ大学が違う場所にあると市民に誤解される恐れがある」とする。なお「切れ目が分かりやすいように」(同局)と、「瓜生山学園」と「京都芸術大学前」の間には半角スペースを入れるのが正式な表記という。

 一方、京都芸術大は、「瓜生山学園京都芸術大学」という表記は国が認める正式名称ではなく、大学名の前に運営法人の名前を記したバス停が市バスでは他に例がないと困惑。21年12月には「(新名称は)間違いであるにとどまらず、不自然に長い」「和解で合意した『名称に関して誹謗中傷を行わない』の項目に該当する」などと、“抗議”にも近い通知書を交通局に送った。

 願いはかなわず、バス停名は間もなく市バスで2番目に長い名称に変わる。京都芸術大は取材に「本学の要望を受け入れていただけず、残念」とコメントした。“真の和解”への道のりはまだまだ険しそうだ。