2021年11月に議員が開示請求した公文書の写し。財政課長の合議印が押されている

2021年11月に議員が開示請求した公文書の写し。財政課長の合議印が押されている

2021年4月に市民が開示請求した公文書の写し。必要な財政課長と会計管理者の合議印が押されていない

2021年4月に市民が開示請求した公文書の写し。必要な財政課長と会計管理者の合議印が押されていない

京都府木津川市

京都府木津川市

 京都府の相楽中部消防組合消防本部の庁舎移転を巡り、京都府木津川市が建設候補地選定の決裁時に必要な合議印を押さず、3年たってから事後で押していたことが、市民や市議の情報公開請求などで分かった。市は公文書偽造には当たらないとしているが、専門家は体裁を取り繕おうとする木津川市の体質を疑問視している。

 消防庁舎の用地選定は2017年度から始まり、市は数回の協議を経て、18年6月11日の政策会議で市城山台を移転先とすることが決まった。

 昨年4月、市民が候補地選定に関わる文書を情報公開請求したところ、開示された文書には市長や副市長、担当部長などの判が押されていたが、合議先の会計管理者と財政課長の押印はなかった。一方、10月に市議が同じ文書を情報公開請求したところ、4月時点になかった財政課長の判が押されていた。

 消防の新庁舎建設を担当する総務部危機管理課は京都新聞社の取材に対し、本来必要だった財政課長と会計管理者の合議印がなかったことは「建設用地選定が財産の貸し付けに当たるという認識が不十分だった」と答えた。空白だった合議欄に3年を経てから財政課長の判が押されたことについて「はんこの漏れが確認されたので、市長、副市長に確認した上で、財政課長に改めて押印してもらった。会計管理者は退職していた」とし、昨年9月に財政課長のみ追認という形で押印したという。

 決裁文書のあり方について、田中達男副市長が市議会12月定例会のすべての一般質問を終えた後で発言を申し出て「決裁時点で他意なく合議印が漏れた。事後の追認という形で、公文書偽造には当たらない。事務決裁規定を順守するよう努めていく」とした。

 仮に合議印に漏れがあったとしても市長の決裁印があることで行政文書としては成立する。地方行政に詳しい同志社大の真山達志教授(行政学)は「体裁を取ろうとして後からはんこを押し、問題を指摘された時につじつま合わせしようとする、市の体質に問題がある。追認するのであれば、もう一度文書を起こして、追認した理由を添えるなどすべきだ」と指摘している。