滋賀県

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 滋賀県選挙管理委員会の委員長で元自民党県議の世古正氏が代表を務める政治団体「世古正後援会」が、自民県連から寄付を受けていた問題で、世古氏は28日、2020年までに受け取った計120万円を同県連に返金し、政治団体の解散届を県選管に提出したことを、京都新聞社の取材に対して明らかにした。選管委員長の辞職は否定した。

 自身の政治団体については「県民に疑念を持たれたので、それに応えるため、解散の届け出を行った」と述べた。県連からの寄付は、1991年~2020年の間に4回(各30万円)で計120万円を受けていたとし、「全額を県連に返金した」という。

 一方、選管委員長(任期は23年12月まで)の辞職の意思は否定し、「選管委員の政治活動の自由は法的に認められている。公正な選挙のために職務を続けたい」と話した。

 世古氏は県連からの寄付について、「自身の支援者が政治献金による税控除を受ける目的で、県連を通して後援会に寄付していた」と説明した。政治資金規正法では税制上の優遇措置を受ける場合、収支報告書に寄付者の名前や住所を記載する必要があるが、世古氏は「個人のプライバシーに関わる」として氏名などを明らかにしなかった。

 個人が一定の要件を満たした政党や政治団体に寄付した場合、税法上では所得額から一定額を控除できる。しかし、政治資金問題に詳しい神戸学院大の上脇博之教授(憲法学)は、世古氏の説明に疑問を呈する。

 上脇教授は「(説明が)本当だとすれば、税制上の優遇を受けるために、本来なら支援者が寄付する気のない県連を通して後援会に金が渡っていることになり、迂回献金に当たる」と指摘。その上で「税制優遇の悪用ともいえ、選管委員長がこれを認めているのは理解しがたい」と批判する。