中国政府によるウイグル族抑圧などが指摘される中で行われた北京冬季五輪では、人権尊重や平和を訴える選手のアピールを主催者側が強くけん制した。背景に競技会場などでの政治的宣伝活動を禁じた五輪憲章第50条があるが、一方で大会組織委員会報道官が「人権侵害はうそ」といった中国政府の見解に沿う発言をし、政治的中立性に反する場面も見られた。五輪と政治の関係について立命館大の市井吉興教授(スポーツ文化論)に聞いた。

 ―五輪での選手のアピール行動をどう見ているか。

 「五輪憲章があるとはいえ、人権侵害や命が脅かされる問題に対して選手が解決への願いを表現するのは当然のことで、それをけん制、排除すべきではない。問題を具体的に考えずにIOC(国際オリンピック委員会)のように