羊料理といえば、ジンギスカンを思い浮かべる人が多いのでは?羊毛販売などを手掛ける京都市北区の本出ますみさん(64)にとってはシューパウロウ。モンゴル遊牧民の伝統料理で、骨付き肉を塩で煮る。「食べることの根源的な意味を気付かせてくれた」と言い、大切な日に必ず作る。

 約40年前、本出さんは旅先のオーストラリアで、刈り取られた羊1頭分の毛を糸車で糸に紡ぐ人の姿を目にした。「糸って、こんなふうに作るんだ」。感銘を受けて翌年の1984年に京都市内で原毛販売店をオープンし、次の年に、羊と羊毛を入り口に衣食住を考える情報誌「スピナッツ」を創刊した。

 活動を通じて、北海道で茶路めん羊牧場を営む羊飼いの武藤浩史さん(63)と、レストラン「ラ・ペコラ」の初代オーナーシェフ河内忠一さん(68)と知り合い、交流を重ねた。90年代初め、「羊肉の良さが味わえる料理がある」と2人が食べさせてくれたのが