ガイドブックを手に笑顔を見せる八木町市民フォーラムの会のメンバー(南丹市八木町・旧吉富小)

ガイドブックを手に笑顔を見せる八木町市民フォーラムの会のメンバー(南丹市八木町・旧吉富小)

 京都府南丹市八木町の住民団体「八木町市民フォーラムの会」は、同町が誇る地域の「宝物」を網羅した冊子「なんたん八木ガイドブック」を制作した。先達が守り伝えた事物を後世に引き継ぎながら、自分たちの手で歴史を紡いでいく志を共有するきっかけにしたいという。

 同フォーラムのメンバー約30人が町内各地に足を運んで取材。多数の文献にも当たり、写真も撮影して編集した。東西南北と神吉の計5地域の約200の宝物を載せた。

 東では、終戦前の1945年6月に墜落した日本の戦闘機の航空兵を弔う慰霊碑を紹介。西の吉富地域にはかつて荘園があったことや、企業の集積が進んでいることを伝える。南ではキリシタン武将内藤ジョアンが治めた八木城や教育者八木龍三郎の私塾「興風義塾」について説明する。北では、人材育成に力を注いだ井上堰水(えんすい)や、キリスト教の伝道師でもあった井上が創立を主導した丹波第一基督(キリスト)教会について紙幅を割く。神吉では、丹波霧を望める紅葉峠などに触れている。

 フォーラム代表の芦田讓さん(78)は「作り始めた当初は数人で作業していたが、次第に輪が広がったのがうれしい。われわれ自身の手で八木の宝物について知り、伝え、守り、次代につなげていくという精神をこれからも大事にしたい」と話す。

 冊子はA4判、約120ページでカラー。500部作成し、関係者や地元図書室などに配った。八木町観光協会などと連携し、冊子を生かしたツアーの催行などを模索。小中学校での教育活動にも役立てる。