歌碑の除幕式で、万葉衣装をまとい、完成を喜ぶ沖島万葉歌碑建立の会のメンバーら(近江八幡市沖島町)=沖島コミュニティセンター提供

歌碑の除幕式で、万葉衣装をまとい、完成を喜ぶ沖島万葉歌碑建立の会のメンバーら(近江八幡市沖島町)=沖島コミュニティセンター提供

 新元号「令和」の典拠となった万葉集が注目される中、世界的にも珍しい湖沼の有人島・沖島(滋賀県近江八幡市)の島民らでつくる「沖島万葉歌碑建立の会」が、飛鳥時代の歌人柿本人麻呂が沖島について詠んだ万葉歌の歌碑を島内に建立した。同会は「歌碑を通し、沖島の歴史を残していきたい」と意気込んでいる。

 10年以上前から県内ゆかりの万葉歌碑づくりに取り組む大津市の日本画家鈴木靖将さんらが企画した。島民有志を中心に同会を結成し、インターネットなどで寄付を募ったところ、43件約120万円が集まったという。
 歌碑は高さ1メートル、幅1・3メートル。島では50年近く前まで石材業が盛んだったことを知ってもらおうと、地元の石を用いた。刻まれた歌は「淡海の海 沖つ島山 奥まけて わが思う妹(いも)が 言(こと)の繁(しげ)けく」。将来を約束した女性に恋のうわさが絶えないことを嘆く恋歌だ。
 同島の沖島コミュニティセンター前に設置し、傍らに4カ国語で歌を解説する碑も添えた。10月下旬に開かれた除幕式では、碑建立の会のメンバーらが万葉衣装をまとって完成を喜んだ。
 同センター職員の小川文子さん(49)は「歴史の一ページとして、多くの人に見てもらえたらうれしい」と話している。