国に上告しないよう求める要請書を国会議員に渡す東京訴訟原告の北三郎さん(仮名、右から2人目)ら=参議院議員会館

国に上告しないよう求める要請書を国会議員に渡す東京訴訟原告の北三郎さん(仮名、右から2人目)ら=参議院議員会館

 国が初めて敗訴した旧優生保護法による障害者らへの強制断種・強制不妊手術被害の国家賠償請求訴訟の大阪高裁判決を受け、全国被害弁護団や優生手術被害者・家族の会らが4日、国会内で緊急院内集会を開き、国が上告しないよう、国会議員らに働きかけを要請した。

 集会には、立憲民主党代表の泉健太氏(衆院京都3区)ら超党派の強制不妊手術を考える超党派議連メンバーらが出席。東京訴訟原告の北三郎さん=仮名=が「わたしの人生を返してほしい。悲しかった、つらかった。78歳になり、この苦しみをあの世まで持って行きたくありません」と訴えた。大阪訴訟の原告は「勝訴したが、子どもを産めない体は変わりません。元の体に戻して」と、国が上告を断念し大阪控訴審判決が確定するよう求めた。

 障害者への差別や偏見が今も続き、司法や情報へのアクセスが困難な状況に置かれていることを踏まえ、全国ろうあ連盟など障害者団体から、早期に被害者全体を人権救済することや、一時金支給法の不十分さを指摘する声が相次いだ。

 大阪高裁は2月22日、旧優生保護法(1948~96年)を違憲とし、時の経過による免責は「著しく正義、公平の理念に反する」と一審判決を破棄。国に対して、不妊手術を強いられた聴覚障害のある夫婦と知的障害のある女性に計2750万円の賠償を命じた。各地の地裁で旧優生保護法を巡る訴訟が起こされているが、除斥期間(20年の経過で損害賠償権消滅)による免責も求めず、国が敗訴したのは初。全国の原告25人のうち、4人が裁判中に死亡している。