大津地裁

大津地裁

 滋賀県草津市の農業用排水路などで昨年8月に男性の切断遺体が見つかった事件で、殺人罪などに問われた焼き肉店経営杠(ゆずりは)共芳被告(69)の裁判員裁判の第2回公判が14日、大津地裁(今井輝幸裁判長)で開かれ、杠被告は起訴内容を全面否認した。犯行を直接裏付ける物証や供述はなく、検察側は状況証拠を積み上げて立証する見通しで、公判では証拠の評価が争点になる。

 杠被告は殺人や死体遺棄、死体損壊などの罪について「やっておりません」と述べ、遺体発見当時は「(男性が)死亡していたことを知らなかった」とした。

 検察側は、男性は、昨年8月6日に守山市の杠被告の自宅兼店舗で飲食をして以降、生存が確認されておらず、店舗から男性の血痕が見つかったほか、被告の車には遺体から付着したとみられる血液が検出された、と説明。被告の車と似た車が、被告宅と遺体発見現場付近との間を走行している様子の防犯カメラの画像などを示し、被告の犯人性を絞り込んだ。

 また、同日前後、杠被告は、男性が住む宿舎の住人に「(男性は)出身地の高知県に帰る」とうそを伝えたとし、「強い殺意に基づく計画的な犯行だ」と強調した。

 弁護側は、杠被告は昨年3月以降、男性に宿舎の紹介や金銭の貸し付けなどの世話をしていたが、トラブルはなかった、と主張。被告宅や車の血液は、男性がひげそりで顔を切ったり、事故で負傷した後に乗車したりして生前に付着した、と指摘した。検察側が提出しているのは状況証拠のみとし、「有罪認定に合理的な疑いがある」と真っ向から反論した。

 起訴状によると、昨年8月6~9日ごろ、守山市の自宅兼店舗か周辺で、知人の無職中川直(すなお)さん=当時(69)=を何らかの方法で殺害。遺体の首や両腕、両脚などを切断し、草津市の農業用排水路に胴体を捨てるなどした、としている。