電線を地中に埋める無電柱化工事が進む智恩寺参道(宮津市文珠)

電線を地中に埋める無電柱化工事が進む智恩寺参道(宮津市文珠)

 日本三景・天橋立が位置する京都府宮津市文珠で、良質な景観づくりのために無電柱化工事が始まっている。全国から多くの観光客が訪れる地で、長年、電線を取り除いて古き良き街並みをすっきりさせたいと望んでいた地元住民は「第一歩が踏み出された」と喜びをかみしめている。

 道路管理者の府丹後土木事務所によると、工事範囲は智恩寺の参道110メートルと廻旋橋手前までの30メートルの計140メートルで、7本の電柱を撤去する。地中の管路に電線や通信線をまとめて収容する「電線共同溝方式」を採用している。総事業費1億7千万円。

 昨年12月中旬から工事が始まり、今年秋ごろまで地中に配管を入れる作業が続く。その後、関西電力とNTT西日本が電線などの工事を引き継ぎ、2024年春ごろに完了する予定だ。

 府は、電柱や電線を撤去して良好な景観の形成し、また地震や台風といった災害による被害を防ぐため、19年12月に「無電柱化推進計画」を策定した。一方、文珠地区の自治会や地元観光業者でつくる天橋立文珠繁栄会は、策定以前から府に要望書を提出するなど熱心に地中化工事に向けて取り組んできた。

 繁栄会会長の幾世健史さん(47)は「地中化の構想が出たのは20年以上前から」と振り返る。09年には同会や自治会で「文珠地区景観まちづくり計画」をつくり、看板の自主規制などにも力を入れた。13年には府や宮津市と電線地中化も盛り込んだ「天橋立地区マスタープラン」を策定し、計画を着実に進めていた。

 幾世さんは「智恩寺を生かした、まちの品格と情緒が復活する。工事中は住民や観光客に迷惑をかけてしまうが、天橋立ならではのまちづくりを今後も続けていきたい」と展望を語った。