携帯電話の普及に伴い、減り続けている公衆電話。災害時の活用など重要性も指摘されている(京都市左京区)

携帯電話の普及に伴い、減り続けている公衆電話。災害時の活用など重要性も指摘されている(京都市左京区)

京都市内の指定避難所に配備されている特設公衆電話。発信専用で、災害時に無料で利用できる(京都市南区・元東和小)

京都市内の指定避難所に配備されている特設公衆電話。発信専用で、災害時に無料で利用できる(京都市南区・元東和小)

京都府・滋賀県内の公衆電話台数の推移

京都府・滋賀県内の公衆電話台数の推移

 携帯電話の普及で、公衆電話が減り続けている。設置基準の変更でさらに削減される予定だが、大規模災害時には公衆電話の方がつながりやすくなるなど重要性も指摘されている。京都市を含め自治体の避難所などに事前配備する「特設公衆電話」も近年増えており、緊急時の活用が見直されている。

 NTT東日本と同西日本によると、全国にある公衆電話は約14万6千台(2020年度末)で、京都府内は3099台、滋賀県内は1645台。公衆電話事業は赤字続きで、ここ20年で60万台近く減った。さらに電気通信事業法施行規則で定める「第1種公衆電話」の設置基準が緩和されることになり、今後10~15年で7万9千台が削減される見込みだ。

 利用も激減しているが、災害時には携帯電話や一般電話より優先的につながり、電話回線から電力供給されるため停電時も影響を受けにくい強みがある。東日本大震災の発生日に首都圏では、公衆電話の利用が前日の約15倍に増えたという。

 重要性を広く知ってもらおうと、日本公衆電話会(本部・東京)は、小学校などで公衆電話の使い方教室を開き、安否情報を録音、再生できる災害用伝言ダイヤル「171」の操作も伝えている。

 同会関西統括支部の北田宣明事務局長は「近年は受話器をどう持てばいいか分からない子どもも多い」と指摘し、日頃から身近にある公衆電話の場所を確認するよう呼び掛けている。コロナ禍で活動が制限される中、「今後はオンラインでの教室も行う。行政とも連携し、防災意識の向上に努めたい」と語る。

 東西のNTTは東日本大震災後、災害時に無料で利用できる特設公衆電話の配備を自治体の指定避難所などで進めている。南海トラフ地震で被害が想定される地域を優先的に、NTT西日本はこれまで約3万6千台(21年9月末)を設置。府内は1013台、滋賀県内では89台で、さらに増やしていくという。

 このうち京都市とNTT西日本京都支店は19年末、市内各学区の避難所228カ所に特設公衆電話を設ける災害協定を締結。既に大半が設置済みという。

 20年に配備された京都市南区の東和学区の避難所、元東和小(凌風小中学校第2校舎)では、電話機を備蓄室で保管している。同学区自主防災会の井口豊弘会長(76)は「置いているだけでは駄目で周知も進んでいない。実際に線をつないだり電話をかけたりする訓練を定期的に行い、緊急時により多くの人が迅速に使えるようにしたい」と話す。