SMS認証代行の客を募るツイート。出会い系やフリマなど、利用したいサイトの種類によって値段は異なる

SMS認証代行の客を募るツイート。出会い系やフリマなど、利用したいサイトの種類によって値段は異なる

SMS認証代行事件の流れ

SMS認証代行事件の流れ

 携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)を使った本人確認手続き「SMS認証」を代行し、フリーマーケットサイトのアカウントを依頼者に不正取得させたとして、京都府警は11日、私電磁的記録不正作出・同供用容疑で、相模原市の高校1年の男子生徒(16)を書類送検した。SMS認証の代行は「楽に稼げる副業」として横行しており、専門家は「犯罪を生むインフラになっている」と警鐘を鳴らす。

 SMS認証は、携帯電話のSMSを使って認証コードをやりとりする仕組み。フリマサイトや会員制交流サイト(SNS)の利用開始時に、サイト側が利用者の本人確認をするために用いられ、キャッシュレス決済が普及する中、サイト事業者や金融機関などで利用が広がっている。

 男子生徒の書類送検容疑は昨年4月、スマートフォン向けのゲーム動画配信アプリを通じて入手した、他人の電話番号と認証コードを長岡京市の少年(16)ら依頼者3人に提供し、フリマサイトなどのアカウントを不正取得させた疑い。府警は、依頼者3人も同容疑で書類送検した。

 府警によると、男子生徒は認証代行を約300回繰り返し、50万円ほどを得ていたとみられる。「ネットで見た手口を応用した」と供述しているという。

 神戸大大学院の森井昌克教授(情報通信工学)によると、こうした不正な認証代行は5年ほど前から増え始めた。依頼者は身元を隠してアカウントを取得できるため、摘発を逃れやすく、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷やフリマサイトを使った詐欺、転売などに悪用されるケースがあるという。

 警察庁は昨年4月、認証代行の取り締まりを強化するよう各都道府県警に通知。警視庁や大阪府警などが代行業者を逮捕している。

 森井教授によると、代行業者はSNSやネット掲示板で客を募り、1件につき千円台で請け負う。本人確認が徹底されていない携帯電話のSIMカードを大量購入して悪用する手口が目立つといい、「電話番号と認証コードを伝えるだけなので、ネット上では簡単な『副業』として認知されている。その分、犯罪に加担する意識は低いのではないか」と指摘する。

 SMS認証は利便性が高い一方、セキュリティーが不十分な面があるといい、森井教授は「事業者は認証の回数を増やすなどして、不正アカウントをあぶり出す対策を進めるべきだ」と話す。