奥山さん(右から2人目)が開く「スキップカフェ」。昼食を囲み、医療的ケアやさまざまな事柄について会話を弾ませる=木津川市加茂町

奥山さん(右から2人目)が開く「スキップカフェ」。昼食を囲み、医療的ケアやさまざまな事柄について会話を弾ませる=木津川市加茂町

 医療的ケアが必要な子がいる母親らが集うサロンを、京都府木津川市加茂町の女性が毎月、自宅で開いている。自身も同じ境遇で孤独に陥った時、「先輩」の母親らに救われた経験が根底にある。実体験に基づいた在宅ケアの知恵も「後輩」に伝え、「ママたちを孤立させない」と温かな料理を用意して待っている。

 秋の気配が漂い始めた10月中旬。熱々のチーズフォンデュを囲み、女性4人が会話に花を咲かせた。一見、女子会のようだが、テーブルには医療機器のパンフレットや実物が置かれている。
 たん吸引器専用バッグを開発・販売する「skip&clap」代表の奥山梨衣さん(40)が1月から自宅で始めた「スキップカフェ」。医療的ケアが必要な子のいる母親が集い、学校や病院、行政、医療制度といったさまざまな情報を交換する。
 たん吸引に使うカテーテルを100円ショップのドレッシングボトルに入れて持ち運ぶといった在宅ケアならではのアイデアも伝え合い、好評を集める。
 難病を患う中学3年の長女に昨年からたん吸引が必要になった奈良市の女性は「吸引方法は病院で1回レクチャーを受けただけ。どこまで衛生面に配慮したら良いかも分からず困っていた。いろいろと教えてもらえて助かる」と喜ぶ。
 奥山さんの長男(13)も先天性の難病で日常生活は全介助が必要。子育てを始めた頃は周囲に相談できる人もおらず、孤独で引きこもりがちだった。そんなとき、市内の女性が開く同様のサロンに参加して助けられた。そのサロンも今は無くなったが、「こういう場が必要。恩返しの思いも込めて」とスキップカフェを開いた。
 日頃は家事の多くを担う母親らに「作ってもらったものを食べる幸せを感じてもらえたら」と昼食やおやつも用意。医療の話題ばかりでなく、ときに他愛のない会話で盛り上がる。奥山さんは「ほかのママには話しにくいことや分かってもらえない悩みも、ここではみんなが共感してくれる。少しでも心が軽くなってもらえたら」と願っている。
 スキップカフェは原則、毎月最終金曜に開催。参加費500円。次回は29日午前11時から。