ロシアのウクライナ侵攻が、止まりそうにない。

 撤退を求める日米欧などは、国際決済ネットワークから、ロシアの一部金融機関を排除したり、幹部らの資産を凍結したりする制裁を行ったが、はっきりとした効果は、まだ表れていない。

 追加の制裁が必要とされる中、バイデン米大統領は、ロシア産の原油、液化天然ガス(LNG)、石炭の輸入を全面的に禁止すると発表し、すぐに実施した。

 原油をはじめとするエネルギーの輸出は、ロシア経済の「命綱」ともいわれている。

 これを切れば、中国の支えがあったとしても、ロシア国内に大きな影響が及び、撤退に結び付くかもしれない。バイデン氏の決断は多方面に支持されよう。

 米国が昨年、輸入した原油と石油製品のうち、約8%がロシア産である。

 原油価格が高騰し続けており、輸入禁止に踏み切れば、米経済も「返り血」を浴びかねない。

 けれども、米国は世界一の産油国で、増産や調達の多様化で賄えるとの見通しがある。米議会や世論も、決断を後押しした。

 ただ、日欧などのほかの国は、事情が異なる。直ちに追随するのは、難しいようだ。

 産油国でもある英国は、段階的に輸入を減らし、「今年末までに停止する」とした。

 欧州連合(EU)は、石油輸入の約4分の1がロシア産で、2030年より「かなり前に」依存から脱却したい、とするにとどまった。ドイツは、ロシアからの調達を継続する構えだ。

 日本は、原油輸入の3・6%をロシアに頼る。米国に同調するかどうか検討に入ったものの、ガソリンなどの急騰を抑えるのに、石油元売り会社への補助金を増額する状況にある。政府内には、慎重な意見が多いとされる。

 禁輸に踏み切るには、国民の理解と、影響を受ける産業への対応策が要りそうだ。

 日米欧の先進7カ国(G7)はきのう、エネルギー担当相の会合を開き、石油や天然ガスの生産国に、増産を検討するよう求める共同声明を発表した。

 LNGの供給を増やすには、投資が必要とも明記した。ロシアから欧州へのパイプラインが途絶した際に、経済への打撃をなるべく小さくしておきたい。

 禁輸の効果を上げるには、こうした対応を積み重ね、各国の足並みをそろえるべきだ。