商品名もそっくりな正規品(左側)とコピー商品=京都府茶協同組合提供

商品名もそっくりな正規品(左側)とコピー商品=京都府茶協同組合提供

 中国で宇治茶のコピー商品が横行している。老舗企業のパッケージや社名をまねた商品が出回り、中国以外の海外市場にまで浸透してきているという。同国では「宇治」が付く茶関連の商標だけで登録済みや出願中が191件にも上るといい、中国企業による宇治茶ブランドの「乗っ取り」につながりかねない事態となっている。

 15日に東京で開かれた自民党茶業振興議員連盟の作業部会で明らかになった。出席した宇治茶製造販売の老舗「丸久小山園」(京都府宇治市)の役員や担当者によると、パッケージや社名はほぼ同じで、商品名は本物の上に「宇治」を付けるケースが多い。コピー商品は3年ほど前から散見され始め、現時点で2億円以上の被害が発生しているという。
 世界では抹茶ブームが起きているが、最近は北米や東南アジアにもコピー商品が輸出され、それらが本物の宇治茶と誤認される恐れがある。同社は「対応はしているが、手を変え、品を替えてやられている。海外に今後参入する余地もなくなりかねず、これ以上放置できない」と訴える。
 同じく作業部会で報告した京都府茶協同組合によると、「宇治」の商標は組合加盟者が取得し、組合への譲渡手続きを完了しているが、「宇治」が付く商標の申請を中国当局は拒否していない。茶関連の191件だけでなく、組合が9月に中国商標局に確認した際には全分野における「宇治」関連の申請が3千件以上と伝えられたという。
 作業部会ではメンバーの議員から「中国政府は国策として権利侵害を黙認している。日本側で社会問題にしないと中国は動かない」とし、外交問題として取り上げるよう求める声も上がった。