科学と宗教が融合するとどうなるのか。こんなちょっと危険な香りが漂う魅惑的な問いと向き合っている仏教学者がいる。仏典を機械学習した仏教対話AI(人工知能)「ブッダボット」の開発など、伝統知と科学技術の融合に取り組む京都大こころの未来研究センターの熊谷誠慈准教授だ。仏教の新しい形を模索する俊英はいったいどのような未来を思い描いているのか。「頭の中」をのぞいてみた。

 -ブッダボットなど旧来の宗教観を刷新する技術を開発しています。そもそも宗教学に関心を持ったのはなぜですか。

 「私は実家が浄土真宗の寺でして、現在は住職を務めています。父が亡くなったため20歳ごろから檀家(だんか)さんに法話を行うようになったのですが、私の若さもあって満足に話すことができませんでした。このままではだめだということで、大学で仏教学を修めようと思ったんです」

 -大学で学んだことは役立ちましたか。

 「むしろ仏教学がいかに現代人の役に立たないかを痛感しました。仏教学の知識を披露しても、