大津地裁

大津地裁

 元同僚の女性職員への強制わいせつ罪に問われ、無罪が確定した大津市の男性職員が、女性の不当要求に関する公文書の開示を求めたのに市が拒否したのは違法として、市に損害賠償約750万円を求めた訴訟の判決が17日、大津地裁であった。堀部亮一裁判長は、市と越直美市長(当時)が適切な公文書管理を怠ったなどとし、男性の主張を一部認めて市に33万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性職員は2013年3月、男性からセクハラを受けたとして、右翼関係者とみられる男性らを伴い、市に男性の懲戒免職処分などを要求した。その後、男性は強制わいせつ罪で起訴されたが、無罪判決が確定した。

 男性は裁判での無罪主張の根拠になるのではないかと考え、13年12月以降、女性職員の要求に関する記録などの公開を市に求めたが、市は非公開の決定をした。

 この決定を取り消すよう求めた男性の訴えは17年2月、最高裁で男性勝訴が確定し、同年6月、市は部分公開を決定した。しかし男性は不十分として市の審査会に審査請求し、損害賠償訴訟も起こした。

 20年の市の再調査によって、女性職員の要求のやりとりを記録した文書のコピーが人事課や市長室のファイルに保管されていたことが判明。17年の最高裁決定後に越氏が市長室のファイルを廃棄するよう部下に指示したが、保管されていた。堀部裁判長は、市が同年、審査会に「文書は存在しない」と回答した時点でファイルがあったことから、「適切な公文書の管理を怠った」と指摘した。

 また、越氏から女性職員との示談を強要されたとする男性の主張も認め、違法と判断した。

 一方、市が文書の存在を故意に隠蔽(いんぺい)した、とする主張は退けた。

 判決後、男性は「示談の強要が違法と認められほっとしている」とコメントした。原告代理人の池田良太弁護士は「情報公開請求を拒んだこと自体の違法性は認められず、残念だ」と話した。

 越氏は「公文書管理に関する主張が一部認められなかったことは遺憾だが、隠蔽がないとされた点は事実関係に基づく適正な判決。示談については不当な判決だ」とのコメントを出した。