コンビニ最大手セブン―イレブン・ジャパンが、弁当など消費期限の近づいた食品の購入者に5%分のポイントを提供する還元策を始める。ローソンも同様の還元策を実験するという。

 食べられる状態で廃棄する「食品ロス」を減らすため、売れ残りを抑える狙いだ。

 実質的な値引きとなり、定価販売の見直しに慎重だった各社がかじを切った形である。24時間営業問題とともに、コンビニのビジネスモデルが大きな転機を迎えたともいえる。

 「食品ロス」がそれだけ、無視できない問題となってきているのは間違いない。コンビニだけではなく、食品を大量に廃棄する社会の在り方が問われている。

 消費する私たち一人一人の意識改革も必要だ。

 日本国内の食品廃棄量は年間約640万トンにのぼり、飢餓の解消に向けた世界全体の食料援助量の約2倍に当たる。

 一方で食料自給率は先進国最低水準にあり、大量の食料を輸入に頼っている。過剰な食料生産や食料の焼却処理は二酸化炭素(CO2)の大量排出につながる。

 食品ロスは国際的な課題となっている。国連の持続可能な開発目標(SDGs)は、世界全体の1人当たりの食料廃棄を2030年までに半減させるとしている。

 新潟市で今月開かれた20カ国・地域(G20)農相会合でも「流通の効率化が必要」との認識が閣僚宣言に盛り込まれた。

 今国会では超党派議員連盟がまとめた食品ロスを減らすための新法が成立する見通しだ。コンビニの方針転換はそうした変化に対応したともいえよう。

 セブンでは以前から、期限切れに迫った商品を値下げする「見切り販売」に踏み切る加盟店もあったが、本部が制限していた。

 公正取引委員会は09年、独禁法違反に当たるとして排除措置命令を出している。さらに近年、2月の節分の人気商品となった恵方巻きの大量廃棄問題に批判が高まった。

 大量廃棄はコンビニやスーパーがやり玉に挙げられがちだが、全体でみると小売業は1割程度にすぎない。

 「食品ロス大国」返上には、4割超を占める家庭からの廃棄を見過ごすわけにはいかない。最近は微増傾向にあるといい、改善の余地は大きいのではないか。

 日本の消費者は食品の鮮度にとりわけ敏感と評される。品切れへの理解も含め、食を巡る習慣の見直しを進めたい。