ウクライナから避難する人たちの受け入れが、日本でも始まっている。

 出入国在留管理庁によると、2日から23日までに191人が入国している。今後も親族や知人らを頼り、さらに増えるとみられる。

 ロシアによる非道な侵略で、生活を根こそぎ奪われた人たちである。地域で温かく迎え入れ、できる限りのサポートをしたい。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、国外に逃れたウクライナ人は約360万人を超えるとしている。隣国ポーランドなど欧州内がほとんどだが、日本も国際社会の一員として避難民を積極的に受け入れていくべきだ。

 すでに全国の自治体や民間団体などで受け入れの準備が進められている。

 滋賀県では、彦根市に住むウクライナ人女性のもとに母親と祖母が避難してきており、県は留学生用の居室を無償提供することにしている。

 ウクライナの首都キエフと姉妹都市である京都市は、支援ネットワークを立ち上げた。受け入れに市営住宅を用意し、ウクライナ語で対応できる相談窓口を設けるほか、企業や市民からホームステイや生活用品の提供を受け付ける。

 避難したウクライナ人が日本の生活に慣れるように、日本語学習を無料で受けられる語学学校も各地で出てきている。

 人と人が触れ合う地域でこそ、心のこもったきめ細かな支援となるはずだ。

 政府は、避難民を円滑に受け入れるために、異例の措置を打ち出した。身元保証やコロナの陰性証明がなくても入国を許可し、就労可能な「特定活動」(1年)も認める。希望者には職業訓練も実施するという。

 ただ日本への避難には多額の渡航費がかかるため、諦める人もいよう。国会で問われた岸田文雄首相は渡航費の公的支援を検討すると答弁している。実情に即したサポートがあってこそ、国際的な使命が果たせると心得たい。

 連日、ウクライナの惨状をニュースで触れ、避難民に目を向けているが、一過性であってはならない。息の長い支援となることを想定し、地域の取り組みを考える必要がある。

 一方で、これまでの門戸の狭い難民政策を見直す機会としなければいけない。ミャンマーなど圧政の国から逃れた人たちに難民認定の壁が立ちふさがっている。

 「人道」に分け隔てはない。