青山武美さんの足跡に光を当てる企画展のシンポジウムで、教育版画の戦後の歩みを説明する町村さん(右)

青山武美さんの足跡に光を当てる企画展のシンポジウムで、教育版画の戦後の歩みを説明する町村さん(右)

 終戦直後から朝鮮学校で子どもたちを教えた日本人美術教師、青山武美さん(1908-80)の足跡に光を当てた企画展のシンポジウムが3月、京都市上京区の同志社大寒梅館で開かれた。青山さんの教え子や研究者らが参加し、「子どもの未来を思う青山先生の精神は今も息づいている」「記憶に残さないといけない人物だ」などと語り合った。

 青山さんは山形県出身で、48年から神戸市の朝鮮学校で教壇に立った。この日は、青山さんから指導を受け、自身も朝鮮学校の美術教員として活躍した鄭光均(チョン・グァンギュン)さん(76)が登壇。青山さんと過ごした日々を振り返り、「ロマンチストな人だった」と語った。

 これに先立ち、シンポジウムでは東京都町田市立国際版画美術館の学芸員町村悠香さんが、青山さんも熱心に取り組んだ教育版画の歴史的経緯について講演。戦後、労働運動や平和運動を版画で伝えようとする動きから派生したとし、「生活に根ざしたリアリズムを重視していた。版画を通じて人間形成を目指した取り組みで、民族教育を深める意味もあった」と話した。

 シンポジウムは、3月に同会場で催された企画展「在日朝鮮人美術史に見る美術教育者たちの足跡」が、同月27日で終了するのに合わせて開催された。