市民ボランティアがルビをふった教科書。難しいと感じた熟語には意味も書き込んである

市民ボランティアがルビをふった教科書。難しいと感じた熟語には意味も書き込んである

教科書のルビを依頼した母親とボランティアの交流会。どのような書き方がよいかなど意見を交わした(長岡京市神足2丁目・バンビオ1番館)

教科書のルビを依頼した母親とボランティアの交流会。どのような書き方がよいかなど意見を交わした(長岡京市神足2丁目・バンビオ1番館)

 漢字(かんじ)が苦手(にがて)だけど、ルビさえあればみんなと勉強(べんきょう)できるよ」-。学習障害(LD)のある中学生の教科書にルビを振る作業に、京都府長岡京市の市民ボランティアが取り組んでいる。ルビ振りと家事、仕事に追われていた母親は「子どもと過ごすゆとりができた」と喜ぶ。メンバーは「自分自身の学び直しにもなる」と張り切っている。

 ルビ振りボランティアは2年前、漢字の読みに難しさを抱えるLDの子どもの母親から、市社協に「教科書のルビ振りを手伝ってほしい」と相談があったのがきっかけ。小学校高学年までは、親が教科書にルビを振っていた。中学校に進学すると、1ページあたりの文字数が大幅に増え、手が回らなくなったという。

 市社協の担当者が、個人登録するボランティアに呼び掛けたところ、「自宅でもできる人助け」に関心を持った数人が手をあげた。現在、男子生徒2人から夏休みや冬休みなどに教科書を預かり、8人が手分けして、次の学期で学ぶ範囲のページに赤いペンでルビを振っている。

 3月、バンビオ1番館(神足2丁目)で保護者とボランティアの交流会を開いた。母親(48)は「ルビ振りに追われてつい、家庭で口調がきつくなることもあった。息子とゆっくり向き合える」と喜ぶ。

 ルビ振りメンバーの男性(83)は「いろいろなボランティアに参加してきたが、こういった困りごとは初めて知った。自分のペースで協力できるのがいい」とやりがいを感じる。

 一方、もう一人の母親(47)は「ルビを表示できる電子教科書もあるが、使い慣れた紙の教科書が好みらしい」と話す。教育現場でLD支援が進むものの、それぞれの特性に応じたきめ細かな対応の必要性を、参加者はあらためて確かめ合った。

 市社協のボランティア担当者は「できる限りニーズに応えられるよう、これからも支援者と保護者をつないでいきたい」としている。