美しい花束をもらって嫌だという人はいないが、しおれていくのを見るのは少し悲しい。ならば美しいままで食べてしまう野菜のブーケを贈るのはいかがだろう▼大津市内で近江野菜のレストランを営む和田直子さんは、滋賀の野菜や果物だけでブーケを創作する。ベジフルフラワーといい、送別会や結婚式に引き合いがあるという▼材料の大部分は、和田さんが事務局を務める「しが農業女子100人プロジェクト」の会員の畑から来る。これからの季節はカブ類やカラフルなニンジン、ユズが主役だ▼同プロジェクトは女性農業者が互いに助け合い、風土に根ざした農と食の文化を伝えようと活動する。仲間を100人に増やす目標で、新規就農と自立を後押しする体験会や交流会を開いてきた▼統計によると農業就業人口の約半数は女性なのに、経営は圧倒的に男性が担ってきた。高齢化が進み、経営の多角化や多様化が求められるようになっても女性の参画はなかなか進まない▼例えば滋賀県内19農業委員会の委員計321人のうち女性は42人(13・1%)。「農村の地域政策に女性の声も反映させてほしい」と、委員への女性登用を求めるキャラバン隊が現在、県内市町を巡っている。自立した個人が束になってさらに力を増し、見えない壁を壊したい。