キーウ市のクリチコ市長とオンライン会談で話し合う門川市長(6日午後4時1分、京都市中京区・京都市役所)

キーウ市のクリチコ市長とオンライン会談で話し合う門川市長(6日午後4時1分、京都市中京区・京都市役所)

京都市役所前に設置された献花台(6日午後、京都市中京区)

京都市役所前に設置された献花台(6日午後、京都市中京区)

 ロシアの侵攻を受けるウクライナの首都キーウ(キエフ)市のビタリ・クリチコ市長と、姉妹都市である京都市の門川大作市長が6日、オンラインで会談した。クリチコ市長は現地の惨状を説明するとともに、日本や京都の支援に感謝を述べた。

 両市は1971年に姉妹都市結成宣言を行った。キーウ市と姉妹都市関係にあるのは国内では京都市だけとみられる。会談は、京都市側が支援の思いを伝えようとキーウ市側に打診し、実現した。

 会談は日本時間の午後4時(ウクライナ時間午前10時)に始まり、京都市からは門川市長と田中明秀市会議長が出席。門川市長は冒頭、市役所庁舎から「日々最前線で陣頭指揮を取っている中で貴重な時間をいただきありがとうございます。ロシアによる軍事侵攻に対し、京都市も抗議するとともに、亡くなられた方に哀悼の意を表します。直近の報道では多くの民間人が殺されている。キーウやキーウ近郊でこの1カ月何があったのか、直近はどうなのか、直接お聞きしたい」と話した。
 
 クリチコ市長は「再会できてうれしく思います。まず最初に皆様や日本政府の支援はありがたく、感謝を述べたい」と語った。続けて、「多くの国民が避難しており、第2次世界大戦以降、ヨーロッパにおける最も大きな惨事。ウクライナは常に平和を求めていた国。わたしたちはいかなる場合でも他国を侵攻したことはない」と強調した。
 
 紛争の理由について、「私たちは民主的なヨーロッパの仲間になりたいと思ったが、ロシアのプーチン大統領はソ連を再構築したいという考えがある。表現の自由や人権など民主化したい思いをロシアは受け入れなかった。ロシアを信じないで」と訴えた。

 クリチコ市長はまた、マリウポリなどウクライナの各地で多くの人々が殺されていることに触れ、「わたしたちが目撃しているのは大量虐殺であり、町を完全に破壊している。私たちは決して諦めない。家を、国を、子どもたちを守りたい。負ける訳にはいかない」と言葉に力を込めた。

 門川市長は「キーウのすさまじい惨事を聞き、胸がはち切れそうだ。許せず、悲しい限りだ。ロシア軍の無条件撤退が必要。国際世論の喚起も必要で、京都市があらためて呼び掛けていきたい」と応じた。また、京都市が実施している支援内容を紹介し、「京都市民の心はキーウ市民のそばにある。こうした時こそ姉妹都市としての役割を果たしたい」と伝えた。

 最後にクリチコ市長は「遠い所で戦争が起こっていると考えているのなら間違い。私たちウクライナ人と日本人は同じ価値のために闘っている。平和をもたらすために、積極的になってほしい」と呼び掛け、あらためて日本や京都の支援に感謝を述べた。

 会談は予定の20分間を大幅に過ぎ、約1時間にわたり行われた。

 ウクライナ情勢を巡っては、京都市は支援の寄付金を区役所や市営地下鉄の各駅などで今月末まで募っている。避難民の受け入れも表明しているほか、市役所前広場(中京区)にあるキーウ市との友好記念碑前に犠牲者を悼む献花台も設置している。

 両市は半世紀にわたり、音楽やバレエといった文化交流を中心に親交を温めてきた。門川市長は2011年と17年にキーウを訪問、クリチコ市長も16年に京都市を訪れている。クリチコ市長はボクシングの元WBC世界ヘビー級王者で、16年の来日時に行われた門川市長との会談では「子どもの頃から空手をしていて黒帯を持っています」と話し、場を盛り上げた。